読書感想:サークルで一番可愛い大学の後輩 1.消極先輩と、積極的な新入生

 

 さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様の中で大学生活を体験された、もしくは現在進行形で体験されていると言う読者様にお聞きしたい。皆様は、大学生活の中で何が一番楽しいであろうか。大学生活と言うものは一体どうであろうか。

 

 

高校生活になくて、大学生活にあるものとは何か。様々な答えがあれど、その答えの一つとして、「自由さ」というものがあげられるであろう。単位取得数という部分を守れば自由に学べる、自分の好きな時間割で好きなように生活できる。もう一時間目から毎日登校する、なんて事をしなくてもいい。

 

 そして大学生における一種の部活動のようなもの、サークル活動。 高校の頃よりも自由度の高い、文字通り何でもやれるような活動。そんな、ラノベでは中々語られぬ活動が舞台となるのがこの作品なのである。

 

春、出会いの季節。そしてサークルにとっては勧誘の季節。とある大学の通称「文実」、文化祭実行委員も勧誘活動をしていた。

 

「先輩、お隣、失礼しますね」

 

 その一員であるヘタレな青年、智貴に声をかける影が一つ。周囲の目を奪う程の美人である新入生、美園(表紙)である。何故か彼女は智貴へと積極的に声をかけ、彼の心にするりと入り込んできて。そんな彼女に彼も心を少しずつ開き、何気なく彼女の事を気に掛ける時が増えていく。

 

美園の家まで送っていったり、何気なく二人でご飯に出かけたり。智貴にとある迷惑をかけてしまった美園が智貴の頼みで手料理を振る舞ったり、彼女に誘われて智貴が彼女の家を訪問したり。

 

「はい。素敵な思い出をたくさん作りたいです」

 

そんな何気ない日々の中、少しずつ二人の心が近づいていく中で。早くも文化祭の準備が始まる中、未来へと目を向けていく。二人の思い出を語り、未来で思い出を作る事を考えていく。

 

 迸るような青春の情動は無いけれど。しんみりと染み入るような、しっとりとした甘さがあり。それが大人、大学生。特に特別な事が起きたりするわけでもない、リアルな日常をこれでもかと描いているからこそ。この作品は、等身大の日常の温かさと甘みを持っているのかもしれない。

 

だからこそ、しっとりとした何気ないこの日常は愛おしい。ちょっと大人な、でも子供の時間との狭間な時間が流れる中、二人の距離が近づいていくからこそ。この作品は独特の尊さを持っていると言っても過言ではないのだ。

 

ちょっぴり大人なラブコメを読んでみたい読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

サークルで一番可愛い大学の後輩 1.消極先輩と、積極的な新入生 (ファンタジア文庫) | 水棲虫, maruma(まるま) |本 | 通販 | Amazon