読書感想:お兄ちゃんとの本気の恋なんて誰にもバレちゃダメだよね?2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:お兄ちゃんとの本気の恋なんて誰にもバレちゃダメだよね? - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、実妹であるちまりとの背徳感を何処かにぶん投げてきたラブコメが展開される今作品であるが、無論実妹と恋愛すると言うのはスリーアウトでチェンジもの、というのは社会的通念をお持ちである読者様であれば当然ご存じであろう。ではここで一つ問うてみるとするが、近親間での恋愛は当然アウトであるが、徐々に社会的に是正されようという運動が始まっているが、今の社会的通念から考えるとアウトに近い恋愛、とは何であろうか?

 

 

その答えは、「同性での恋愛」。隠語で言うなら薔薇や百合。未だ社会的にはなかなか認められぬそんな恋愛観を抱いている少女が一人。ちまりの親友である梢(表紙左)である。

 

「そう来なくては。では行きましょう」

 

そして彼女がちまりの事を諦めきれず、まずは千晴から落としてしまおうと宣戦布告してくる事から今巻は始まっていくのだ。

 

無論恋人としてちまりを譲るわけにはいかぬ。故に振り回されながらも挑まれた勝負は受けて立つ。

 

「それは好きになりますね。ボクでもなります」

 

「実の兄妹での恋愛は不純ではないっ!!」

 

 が、しかし。ここで想定外の事態が二つ。一つ目は、ちまりを愛する者同士として何故か千晴と梢が意気投合してしまった事。そしてもう一つは梢の従姉であり不純を嫌う風紀委員長、紫子がきちんと隠し通すならという条件付きで見逃すと言う形で味方に付いてくれた事である。

 

特別になりたい、特別でありたい。同じ思いを抱いた者同士、梢も巻き込まれて歩き出す茨道。その道を歩む中、千晴は梢の心の強さを目にしていく。大切な思いだからこそ何処までも諦めず、最後まで足掻き抜くという彼女の強さに、憧れにも似た感情を抱いていく。

 

「やっぱり、お兄ちゃんは応えてくれるっ・・・・・・」

 

 だからこそ、誤解と勘違いから紫子の手により梢に危機が迫ろうとする時。普通に考えれば、恋敵の脱落と言う好機。しかしそれを良しとしない、したくもない。ちまりの悲しむ顔を見たくないから、彼女の笑顔を見たいから。頼れる人でありたいからと。咄嗟に頭の考える部分をフル回転させ、梢を救うために仲間を巻き込み駆け出し、彼女と共に勢いのままに一世一代の賭けへと挑んでいくのである。

 

全員が許してくれるわけじゃない。茨はどんどん増えてくるし、秘密はどんどん増えていく。それでも、この想いだけは譲れないから。そう言わんばかりに更にドタバタ、更にいちゃいちゃしていく今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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