読書感想:役立たずと言われ勇者パーティを追放された俺、最強スキル《弱点看破》が覚醒しました1 追放者たちの寄せ集めから始まる「楽しい敗者復活物語」

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 さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。皆様はどんな場所なら住んでみたいと思われるであろうか。交通の便が良い所だろうか、役にたつ施設が十分に通える範囲内に存在している所であろうか。皆様が自分の居住地を決める時、重要視されるのはどんな条件であろうか。

 

 

その答えは読者の皆様の心の中それぞれにあられるであろう。その中に、「周りの人の雰囲気」という意味での住みやすさをあげられる読者様はどれだけおられるであろうか。誰もが皆、受け入れてくれる温かさを持っているという良さを求められている読者様はどれだけおられるであろうか。

 

 これは、そんな「温かさ」が重要となってくる作品なのである。それぞれの立場から追放された者達が集まり、理想の小さな世界を作ろうとする作品なのである。

 

幹部を率いる魔王と人間側の勇者がぶつかり合う日常の繰り広げられるとある異世界。幾度目かの魔王軍との戦いの中、勇者よりも目立ってしまった為にパーティを追放されてしまった少年、ウィッシュ(表紙右)。

 

 仕方なく旅に出る事にし、自身も信徒である最大の宗教、レピス教の教会で旅の路銀を借り受け。旅に出て早々、彼は突然見つけた廃城で一人の少女と出逢う。彼女の名はリリウム(表紙左)。ウィッシュ達と戦った魔王軍幹部であり、役立たずの烙印を押され追放された少女である。

 

殺し合うのも意味がないと一時休戦し、リリウムを道案内に目的地を目指す中。迷いの森の中、人間を愛しすぎたが故に天界から追放された幼女神、ミルフィナとも出会い。三人でたどり着いたのは、レピス教に頼らぬ自給自足の生活をする辺境の村、ザッケン。

 

 かつての魔王軍侵攻の際に逃げ出してきた者達から始まり、放浪者や追放者といった者達が集まり出来たこの村で。追放者であった少女、ノアに出会い彼女の心の傷に触れ。ウィッシュの心に一つの願いが生まれていく。

 

「生きる意味や居場所がなければ、作りだせばいい!」

 

何も無いなら、居場所もないなら創り出せばいい。自分達四人が安心して暮らせる場所を作りたい。今、心に抱いた願いをかなえるために。ザッケンを拠点とし、ウィッシュ達は自分達にできる事を模索していく。

 

迷いの森に住まう魔竜フォルニスと友達になったり。リリウムの魔法とノアの知識を生かし異世界の道具を開発してみたり。時に「弱点看破」のスキルを活かして戦ってみたり。

 

賑やかで穏やかなまるで家族同士のような関係の中。四人だからこその絆の形が見えてくる中、ウィッシュ達の目には希望が芽生え。その希望の元、四人で揃って歩き出す。

 

 ほっこりとする独特の温かさと賑やかなスローライフ。心穏やかになれる面白さがあるのがこの作品なのである。

 

心温めたい読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

役立たずと言われ勇者パーティを追放された俺、最強スキル《弱点看破》が覚醒しました 1 追放者たちの寄せ集めから始まる「楽しい敗者復活物語」 (HJ文庫) | 迅空也, 福きつね |本 | 通販 | Amazon