読書感想:世界最速のレベルアップ3

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前巻感想はこちら↓

読書感想:世界最速のレベルアップ2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、特殊スキルである「ダンジョン内転移」の真の使い方を知った事で始まった、主人公である凛の「世界最速のレベルアップ」の道。これまでのレベルアップの道中をご覧になってきた読者の皆様であれば、こうは思われたのではないだろうか。 彼、どんどん強くなるからもう敵なんていないのでは、と。

 

 

実際、そう思われる読者様は一定数おられるかもしれない。しかし、ご安心いただきたい。世界にはまだまだ、凛が知らないだけで強者が数多く存在する。その一人が今巻の表紙を飾る、日本で十二人目のランクS、クレアである。

 

 しかし、まだ見ぬ強者は決して全員が味方ではない。まだ見ぬ格上の敵も存在する。そんな存在の一角が姿を現すのが今巻である。

 

彼の前に現れたクレアに連れられ、道中で彼女の強さの一端を垣間見、訪れたのは新進気鋭、少数精鋭のギルド、「宵月」。凛はそのギルドマスターであり、クレアの父親からギルドへの勧誘を受ける。

 

 しかし事情を隠しておきたく、だけどその提案は一定の魅力を持っていて。 仮団員になるという折衷案で納得してもらい、凛はAランクパーティの一員として、新規発生したばかりのダンジョンへと潜っていく。

 

順調に進む攻略の中、「魔物の行進」、更にはかつての強敵と同じレベルの敵に遭遇し、成長したレベルと力を見せつけ叩き潰し。凛の力は、「宵月」の団員にも認められていく。

 

 だがしかし、攻略後の平穏を切り裂くかのように。凛やクレア、更には「宵月」の団員達やその場に居合わせただけの一般人も巻き込みダンジョンが発生し。彼等の前に、今までにない強敵が姿を現す。

 

レベル10万を超える強敵、イフリート。そんな敵すらも簡単に無力化して見せる、異世界からの来訪者であると名乗る「吸血王」、カイン。

 

一時的にダンジョンを支配したカインの手により、クレアだけが迷宮の外へと追い出され。凜は単独で、絶対に勝てないと確信できるカインとの戦いへと挑まなくてはならなくなる。

 

文字通りレベルの違う、何処をどう見ても勝てる要素なんて一つもない、そんな絶望でしかない死闘。

 

 だがそれでも諦めるわけにはいかぬ。全てを賭し、一縷の蜘蛛の糸よりも細い可能性に全てを賭け。その果て、弱者だからこその力を以て。辛くも凜の手は、勝利へと届く。

 

「―――だから、追いつきたいと思ったんだ」

 

だが、まだ止まれない。あの日憧れた背中に追いつきたいと言う、夢の途中で見つけた夢があるから。

 

前巻にも増して更なる死闘、熱さがまた深まる今巻。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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