読書感想:最強不敗の神剣使い3 十傑選定動乱編

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前巻感想はこちら↓

読書感想:最強不敗の神剣使い2 剣爛武闘祭編 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で繰り広げられた剣爛武闘祭で人造的に作られた剣士を相手に愛の力を見せつけ、またもアリアローゼの危機を救った我等が主人公、リヒトである。そんな彼は剣爛武闘祭でもエレンと共にその力を見せ、更に学園で注目を集めている。その注目の先にあるのは一体どんな展開と画面の前の読者の皆様は予想されるであろうか。答えはすぐに見えてくる。

 

 

「最強の下等生」、それこそが前巻の顛末を経てリヒトに与えられた異名。もはや誰もが彼の力を知り、注目せざるを得ず。それは特待生の中の一握り、頂点に立つ「十傑」においても同じ。史上初の「下等生の十傑入り」が彼等の中で審議され、多数決を以てその議題は可決される。

 

 しかし、勿論そんな事は全くリヒトにとっては興味のない出来事であり、特に考える事もなくスルーされる筈、であった。だがしかし、事態は急展開し彼は否応なく関わらざるを得なくなっていく。

 

姫様とのお忍びデートの後日、バルムンク家の執事によりアリアローゼが浚われ。その奸計を退け、その様を見て滾ったバルムンクとも剣を交え。そんな顛末の後、アリアローゼを狙って何者かの放った矢が襲い掛かり、直撃は避けるも矢じりに塗布されていた希少な毒蜘蛛の毒にアリアローゼが侵されてしまう。

 

解毒するには、矢を放ったものの血液から作ることのできる血清を得るのみしか方法はなく。十傑に入り頂点になり、バルムンクを暗殺せよという謎の何者かの指示に従う他なく。

 

心技体の試験、そして頂点に立つ為に足場を作るために、十傑の上位を狙い挑む決闘。

 

 繰り広げられる死闘は果て無く、次々と襲い来る。その戦いの中を潜り抜けていくリヒト。しかし、彼は衝撃的な事実をバルムンクから知らされ、更には濡れ衣を着せられ追われる事となってしまう。

 

バルムンクのみが知る事実。いずれこの世界に迫る危機。それは彼とリヒトの父、二人が過去に倒しきれなかった悔恨の証。

 

その事実へ繋がるのは、秘密の多い十傑という組織の深淵。姿を見せぬ十傑の一位の真実、そして十傑の中に潜んでいた黒幕の思惑。

 

その根底にあるのは絶望、そして身勝手な思い。

 

「俺はこの世界を破壊してでも姫様を救う」

 

 だがそれはリヒトも同じ。身勝手でもいい、自分勝手だとしても。そもそもの始まりはそんな勝手な思い。だからこそ、世界と彼女を天秤にかけるまでもない。救うべき相手は決まっている、それは変わらぬ。

 

そんな彼へと、新たな犠牲を糧に「善悪の彼岸」の新たな力は届けられる。それは、万軍を率いるかの如き強大なる軍勢の力。

 

更に熱さ高まる中、一気に世界の広がる今巻。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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