読書感想:嘘と詐欺と異能学園2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:嘘と詐欺と異能学園 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品に溢れる嘘と演技、一寸先は闇の中で繰り広げられる一瞬たりとも気の抜けない騙し合い、という面白さについては前巻を読まれているであろう画面の前の読者の皆様もご存じであろう。 しかし、前巻で戦いは未だ始まったばかりであり、ジンとニーナの前にはまだまだ多くの敵が立ち塞がるのは確定している。そしてもう一つ、確定している事がある。それは、入学試験免除組の一角を落としてしまった事で、この学園には更なる混沌が訪れる、という事である。

 

 

ベネットを退学に追い込んだ事で、自主退学者が増加し始め、更には通常のカリキュラムでも大きくポイントが徴収され、更にふるい落としが激しくなっていく養成学校。潰し合いをしない事を願う学校側の思いもむなしく、ジンの脚本によりニーナが宣戦布告した事により、更なる戦闘の幕は上がろうとする。

 

「ニーナ。これから俺たちが挑むのは、最高難度の信用詐欺だ」

 

 そんな中、偽りの最強の一角であるニーナへ、二人の最強がそれぞれ同盟を持ち掛けてくる。一人の名はキャスパー。(表紙左下) 謎の能力を持つ伊達男。もう一人の名はカレン(表紙上)。冷静なメイド、サティア(表紙右)を従える最も多くのポイントを持つ戦闘狂。

 

どちらかが学校側の間諜であると疑われる中、ジンの作戦により秘密裡に両方と同盟を結ぶことになり。ニーナとしてキャスパーとデートしたり、一般生徒として修練の為の教室でカレンと関わったり。二人の秘密を探り、そして引きずり出す為に。調査を続けていくニーナ。

 

 しかし、事態はそう簡単には進まない。身近に潜んでいた謎の暗殺者の影が迫り、舞台はより混迷を迎える中。サティアの襲撃事件が発生したのを切っ掛けとし、怒りに我を忘れたカレンがジンとニーナへと迫りくる。

 

敵となるのは、文字通り最強の敵。対するこちらは無能力者二名、そして正体を見抜き同盟に加えた新たなニセモノ、エマ。勝ち目はあるのか、この戦いに。

 

「一流の詐欺師は、深層心理さえも支配下に置く」

 

 ・・・否、そんな心配は最初から無用である。何故ならば、やはり戦いは始まる前から終わっているから。敵の深層心理さえも支配下に置く、ジンの悪辣なる策略は既に成っているから。 全ては彼の掌の上、始まった時には終わりが決められているからである。

 

しかし、やはり画面の前の読者の皆様もご存じであろう。そんなに簡単に、この作品は進まない事を。

 

ジンすらも予想外であろう人物の襲来、それはニーナにとっての恐怖の象徴。

 

果たして、ここから新たな戦いはどう展開するのか。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。