読書感想:陰キャの僕に罰ゲームで告白してきたはずのギャルが、どう見ても僕にベタ惚れです1

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 さて、この世界には「ギャル」と呼ばれる人種の人達がいる訳であるが、一口にギャルと言っても、ひとくくりに出来るわけでもなく様々な形がある、というのは画面の前の読者の皆様はご存じであろうか。様々な人種、様々な生き方。ギャルとは深く見つめてみれば、意外と面白い所が沢山見つかる人種なのかもしれない。

 

 

 では一体、この作品のヒロインであるクラス内カーストトップの清楚系ギャル、七海(表紙)は一体どんなギャルなのであろうか。

 

 彼女はその見た目と反して、言わば「ファッション的ギャル」。ギャルの格好をしているだけの、男の子が苦手な普通の少女だったのである。

 

そんな彼女が放課後、友人と何気ないゲームに興じている中、罰ゲームで自分に告白しようとしている事を知ってしまった、この作品の主人公である陽信。クラスでは影の薄い陰キャ的少年である彼は、予めその情報を知ってしまってどうするのか。

 

 方策が思い浮かばず、ネトゲの友人に知恵を仰ぎ提案されたのは、彼女を逆にメロメロにしてしまう事。その知恵を元に臨んだ告白の場。突如として頭上から降ってきた汚水入りのバケツから七海を庇って負傷する、という衝撃的な始まりから。二人は恋人同士となる。

 

恋人同士となり、七海は知る。クラスにおいて特に印象もなかった、何でもない存在である陽信。彼が実は意外といい身体をしている事を。時に守ってくれて、毅然と立ち向かってくれて。意外と頼りになる、いい男である事を。

 

陽信は知る。自分とは全く接点のなかった七海が、男性が苦手なだけの普通の女の子である事を。意外と家庭的な所もあり、可愛らしい一面だってある事を。

 

 だからなのだろうか。ニセモノだったはずの関係が、どんどんニセモノじゃいられなくなっていったのは。必然的な流れであったのだろうか、どんどんと本当にお互いに惹かれ合っていったのは。

 

お互いがお互いに影響を与え、お互いを変えていく。そんな変化が心地よい。

 

知れば知るだけ、自分しか知らぬいい所が増えていくたびに。お互いへ向ける想いが深まっていく、想いがお互いへ向け固定されていく。

 

そんな変化は、友人達にも受け入れられ。ひょんな事から出会った七海の両親にも受け入れられ。どんどんと二人の関係は、ホンモノになっていく。

 

「陽信・・・・・・明日からは私・・・・・・改めて全力で行くからね!」

 

だからこそ、この想いの裏、罰ゲームであると伝えるのはどんどん怖くなる。それでも、もう彼じゃないと嫌だから、君じゃなきゃダメみたいだから。だからこそ、改めて決意する。この想い、絶対に本物にしてみせると。

 

 心繋がる響き合う、打てば響くと言わんばかりにお互いの心を震わせ、惹かれ合っていく。そんな砂糖に満ちた、悶えたくなるほどの甘酸っぱさと甘さに満ちたこの作品。

 

だからこそ、昨今のラブコメの中では五本の指に入るほどに面白い。私見ではあるが、そう太鼓判を押したい。

 

真っ直ぐなラブコメが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。