読書感想:落ちこぼれ竜騎士、神竜少女に一目惚れされる3

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前巻感想はこちら↓

読書感想:落ちこぼれ竜騎士、神竜少女(バハムート)に一目惚れされる 2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で貴族令嬢であるアレクシアに告白され、新たな神竜のノルンと出会い保護する事になったこの作品の主人公であるアルト。彼の周りに、彼を中心としてちょっとだけ風変りだけどかけがえのない絆が築かれ始めたのが前巻である。そんな前巻を経て今巻は、一体どんな戦いが待っているのだろうか。

 

 

戦っていない時は無いのか、とツッコミたくなる読者様もおられるかもしれないが、どうかご意見無用でお願いしたい。バトルもあるファンタジー系作品の常として、主人公のいくところ、バトルが巻き起こらぬ訳が無いのである。

 

学生にとっては嬉しい夏休み。長期休暇の日々が訪れる中、アルト達はいつものメンバーで長期的な旅行へ向かう事になり、港町のコルシアを訪ねる。

 

到着して早々宿が無いという事態を、テオドールの友人である有力商人、ゼノの力を借りる事で解決し。皆で街を周ったり、海で皆で遊んだり。更には領主の開く宴会に招かれたりと、楽しい時を過ごすアルト達。

 

 が、しかし。既に不穏の予感はすぐ側に迫っている。旅の途上で出会い、この街で再会した他国の騎士、ククル(表紙右)。彼女は語る、この街で「神隠し」と呼ばれる老若男女関係なく行方不明となる謎の事件が起きていると。折しも運悪く、一人散歩に出ていたノルンが行方不明となってしまう。

 

知ってしまった以上、無関係でいられる訳もない。ましてや、ノルンが浚われた以上、自分達が関わらぬわけにはいかぬ。早速それぞれの役目を決め、調査に飛び込んでいくアルト達。

 

そして辿り着いた秘密の場所。多くの攫われた人達がまるで生ける屍のように襲い来るという異常事態。それを乗り越えた先で明らかとなる、今回の事件の黒幕の何処か哀しい思い。その思惑の犠牲となり、乗っ取られ操られてしまうノルン。

 

敵となるのは、子供とは言え神龍。更にはそこに明確な敵意を伴っていると言う今まででも最悪と言っていいかもしれぬ敵。更には当然ながらノルンを殺すわけにもいかぬ、うまくやるしかないという一種の縛りプレイ。間違いなく今までで一番の難敵と言ってもいい程の敵。

 

「ノルンを・・・・・・そして、子供たちを元に戻してもらうぞ!」

 

だが、どんな時でもアルトは諦めない。出来る事があると信じ、仲間の力を信じ、力の限り戦い抜いていくのである。

 

前巻にも増してきゅんきゅんとし、更に心熱くなるかもしれぬ今巻。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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