読書感想:世界最速のレベルアップ2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:世界最速のレベルアップ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様がこの感想を開いていると言う前提の元にここから先の感想を書いていきたいと思うが、前巻を読まれた読者様は主人公である凜のスキル、「ダンジョン内転移」の特異性と彼の圧倒的爆速による成長譚はもうご存じであろう。しかし、この作品はまだ始まったばかりであり、はっきりと言ってしまえばこの巻までがプロローグと言っても過言ではない。なれば何が必要となるのか? その答えこそが今巻までで描かれる成長であり、最強の頂の一つにまで至らなければ、今後の展開は成り立たないのであろう。

 

 

その成長を描いていく巻であり、凛の新たなる成長と更なる死闘を描いていくのが今巻である。前巻とは少し毛色の違うバトルと成長が見所である巻なのである。

 

「ねえ、凛。凛さえよければ、いつかまた一緒にダンジョンへ行きたい」

 

前巻の騒動の後始末、零からパーティのその後を聞き、お礼としてお金を渡され。だがまだまだ、零と凛には追いつきがたき差がある為に別れ、凛は今巻でも様々なダンジョンを巡り、ダンジョン内転移を生かしてどんどんとハイペースで攻略していく。

 

 そんなハイペースでいけば、すぐに攻略できるダンジョンが無くなってしまうのではないか? と画面の前の読者の皆様は思われるかもしれない。だが今巻では、そんな圧倒的な成長を遂げる凛へとまるで招待状であると言わんばかりに、新たなダンジョンへのチケットが届けられる。

 

その名はエクストラダンジョン、「隔絶の魔塔」。世界で只一人、凛だけが挑戦権を持つダンジョンであり、一度入ってリタイアしてしまえばもう二度と入れない、一度きりのダンジョン。

 

最愛の妹である華(表紙右)に事情を隠しながら遠出すると話し、色々な道具を買い込んで乗り込んだ先。ここまで圧倒的な速度でレベルアップしてきた凛を、まるで児戯、今までは予行演習であるとでも言わんばかりに凶悪なダンジョンが待っている。

 

全十階層、一階層につき一つのクエスト。それぞれ違った形の、武力も知恵も機転も全てが求められる試練が待ち受けし魔塔で只一人。様々なアイテムを駆使したり、時には搦め手を用いたりしながら一歩ずつ塔を攻略していく凛。

 

 やっとの思いでボス敵を打ち倒し、命がけで掴んだ結果。だが彼に一息つく暇などない。彼の知らぬ間に、レアスキル持ちであり講習に励む華へ、魔の手が迫っている。

 

間に合ってしまえば問題はない。何故ならば彼は最強だから。

 

「お前は、選択を間違えた」

 

そして、最愛の妹である華に手を出すと言う、彼にとっての逆鱗をこれでもかと踏み抜いていたのだから。不埒な暗殺者に生き残る目などある訳が無い。

 

「天音さん―――あなたに会いに来ました」

 

 その果て、物語を加速させる出会いは待っている。彼に会いに来たと言う謎の少女、クレア(表紙左)。彼女は一体、何者なのか?

 

ダンジョンに関する謎の伏線も散らばり、世界は更に広がる今巻。

 

故に、最強となっても何も終わらない。寧ろここからが本当の始まり。

 

だからこそ、私はこの作品が面白いと言いたい。

 

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