読書感想:常勝魔王のやりなおし2 ~俺はまだ一割も本気を出していないんだが~

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前巻感想はこちら↓

読書感想:常勝魔王のやりなおし1 ~俺はまだ一割も本気を出していないんだが~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を楽しまれた読者様であればこの世界に置ける勇者の子孫達の外道さはご理解していただけているであろう。そんな外道ばかりが暴虐をまき散らす世界で、一体何をすれば良いのか。

 

それもまたご存じであろう。勇者の資格を持つ少女、ユウナに「勇者の試練」を受けてもらい、真の勇者であったミアを復活させる。その目的はあるけれど、果たしてどうすれば良いのか検討もつかぬ。

 

 そんな訳でジーク達魔王一行が辿り着いたのは、錬金術師達が集う街、アルス。だがしかし、この地を支配するのも勇者の末裔の一人、ミハエル。自らを「天才」と名乗る錬金術師である。

 

古今東西、今も昔も「天才」と名乗る悪役は大概にして外道である。というのは画面の前の読者の皆様もお察しではないだろうか。そう、やっぱりミハエルもまた悪人である。しかもマッドサイエンティスト系の悪人である。

 

 彼がこの街で引き起こしているのは、領民達の誘拐騒ぎ。そして誘拐した人間達を人体改造し、魔物達も自らの意のままに改造する、命を弄ぶ外道な行いである。

 

その産物の一つである、ミアに瓜二つのホムンクルス、アハト(表紙右上)。ミアの身体の一部を用いて創り出された、彼女と瓜二つの外見と同じような力を持つ、けれど魔力を一切持たない者。

 

一戦交え、倒れた彼女を無償で救い。魔王とは思えぬ人の好さ、そして自分にはない心の輝きにアハトの中に迷いが生じ。そして離反を決めたアハトと協力し事態に当たる事になるも、独断専行したアハトは危機に陥る。

 

 それを見てみぬふりをするジークか。無論そんな訳もない。

 

「安心しろ、アハト。ここからは約束通り、俺が協力してやろう」

 

頼れる背中が駆け付けたのなら敗北はありえない。堕した天才如きが、最強である魔王様に勝てる訳もない。

 

前巻にも増して熱い勧善懲悪。それだけでなく、アイリスへのお仕置きを兼ねた性行為もあればユウナとブランの百合なシーンもあったり。

 

「次はしっかり、今回の反省を生かすんだな」

 

その先に、因果応報がきっちりと描かれるからこそ面白いのである。エロスがバトルを引き立てるからこそ、そこに面白さが存在する。それは明白であると言えるのではないか。

 

さて、次はいよいよ「勇者の試練」か。

 

前巻を楽しまれた読者様、やっぱり勧善懲悪が好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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