読書感想:厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由2 ~両片思いのやり直し高校生生活~

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前巻感想はこちら↓

読書感想:厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由 ~両片思いのやり直し高校生生活~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、この作品の主人公の七哉とヒロインであり上司である透花は社会人時代からタイムリープし、再び高校時代に戻ったという状況であるのは前巻を読まれた読者の皆様であればもう、ご存じであろう。では画面の前の読者の皆様、一つ貴方方にお聞きしたい。子どもにあって大人にないもの、一体何であろうか? 大人になるにつれてなくなっていってしまうもの。それは一体何であろうか?

 

それは「熱」と言われるものかもしれない。社会に出て荒波にもまれ、自分の意思だけではどうにもならない状況に何度も接し。いつの間にか社会の歯車の一つとなっていく中、青春の、それさえあれば何でも出来ると言わんばかりの「熱」。あの情動は一体どこへいってしまったのだろうか?

 

 だが今、七哉と透花は高校生である。社会の厳しさと理不尽さも知っているけれど、それでも突っ走れる年齢である。そして、二人が過ごしているのはやり直しの時間。あの日、お互いに手を伸ばせなかった。そんな後悔を取り戻せる年頃なのである。

 

「ビワ、七のすけのこと気に入ったんだケド」

 

が、夏休みに入り距離を詰めたいと願う透花の前に立ち塞がる障害が一人。その名は琵琶子。透花の同年代のカリスマギャルであり、何故かいきなり七哉へと接近してきた美少女である。

 

まさか七哉の憧れの人は琵琶子であったのではないか。焦りと思い込みから暴走と迷走を始める透花。実は透花とは過去に小さな関係があり、彼女と仲良くなりたいという想いを打ち明けられ、透花に真実を告げられるまま琵琶子に協力する事になる七哉。

 

勝負となるのは琵琶子の祖父母が住まう田舎。いつもとは違う非日常、巡るは琵琶子と透花のそれぞれの思い。

 

大人であったのなら、諦めてしまうのかもしれない。けれど今、青春を過ごす子供だから。何でも出来る、何にだって立ち向かえる。そんな熱さがあるからこそ、例え怖い大人にだって立ち向かえる。

 

「そういえば課長、浴衣・・・・・・似合ってますよ」

 

「・・・・・・もう、遅いのよ、ばか」

 

 夏の香りがふわりと駆け抜ける中、両片思い、それ故に揺るがぬ想いが紡ぐ甘酸っぱさが限りなく。正に青春そのものの面白さが、新たに色を加えて深みを増していくのが今巻である。

 

だからこそ、面白い。どんどんと見逃せなくなってくる。故にどうか見逃さないでほしい。このじれったくて甘酸っぱい両片思いを。

 

前巻を楽しまれた読者様、じれったい両片思いが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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