読書感想:会話もしない連れ子の妹が、長年一緒にバカやってきたネトゲのフレだった

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 さて、突然ではあるが世の中にはネカマという単語が存在する。その意味は各自ググっていただくとして、ネトゲに限らず様々な、主人公の性別が選べる類のゲームにおいて、本人の性別とは逆の性別の主人公でプレイするというプレイスタイルがあるのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。無論、私はそういうスタイルを咎める気も意見する気もないが、個人的な意見を言わせてもらうのならば、何処が楽しいか私にはよく分からない次第である。

 

何処にでもいるタイプの、ゲームが大好きな事が特徴であり取り柄の高校二年生の少年、昴。だが彼には、普通の家庭とは少し違う家庭の事情があった。

 

それは五年前の親の再婚により、同い年の義妹、平折(表紙)がいる事。が、しかし彼女とは何処か壁がありその壁を乗り越えられず、未だ会話もない状態であるという事である。

 

会話もない事を気にしつつ、何とかしたいと思いながらも。打開策は思いつかず、いつものネトゲで仲間達とわいわいとやりながら、ゲームの世界に熱中する日々。

 

 

 が、しかし。そんな日々はある日唐突に急展開を迎える。長年ネトゲでフレンドをやってきた相手と現実で会う事になったと思ったら、なんとその相手が平折だったという驚愕の展開で。

 

思わず戸惑い、揺れ動いて。だけど今まで交流が無かった平折の、人見知りが過ぎただけという真実に触れ、変わりたいと願う彼女の本心に触れ。

 

そんな彼女を義兄として支えたいと願い行動しながら、彼女の友人である凜とひょんな事から秘密を共有し、心を近づけて。

 

そして、二人の少女に背を押されるかのように、昴もまた大切な人達を守れるようにと変わる事を願い、必死にもがいていく。

 

 この作品は、ネトゲという舞台を下敷きに、何気のない日常を積み重ねていく作品である。そして、どこか春の陽のようにほんわかとした、可愛らしさと温かさを積み上げていく作品なのである。

 

「平折、帰ったら一緒にゲームしよう」

 

自然とそんな言葉が出てくる、何かあったとしても、ゲームを通じてまた向き合える、繋がれる。だからこそ、何気のない日々が愛おしい、温かい。そしてそんな日々が積み重なって紡がれる、王道のラブコメであるからこそ、この作品は面白いのである。

 

今まさに始まった、王道に配置された彼等の関係。果たしてそれは、何処へと向かうのか。

 

ほのぼのとした作品が好きな読者様、王道なラブコメが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

会話もしない連れ子の妹が、長年一緒にバカやってきたネトゲのフレだった (ダッシュエックス文庫) | 雲雀湯, jimmy |本 | 通販 | Amazon