読書感想:幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら3 再会した幼馴染の家庭教師もすることに

f:id:yuukimasiro:20210314225245j:plain

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら2 怖かった幼馴染が可愛い - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、前巻で関係が深まり、まなみの助けもあり無事に恋人同士となった康貴と愛沙。だがしかし、画面の前の読者の皆様はお忘れではないだろうか。前巻の最後、二人の関係にさざ波を立てそうな存在、もう一人の幼馴染の存在が示唆された事を。

 

勘のいい読者の皆様であればもうお気づきであろう。男の子だと思い込んでいた幼馴染が女の子であるというのはラブコメにおいて、テンプレの一つである事を。既にそのフラグは立っていたという事を。

 

その存在こそ、二人のもう一人の幼馴染である有紀(表紙右)。幼い頃は活発的だったけれど、とある理由により今は引っ込み思案へと変わってしまった幼馴染である。

 

男だと思っていた存在が女の子であったことに戸惑いながらも、まるですり合わせるように、また絆を取り戻すように仲を取り戻していく康貴と愛沙。二人は日々を過ごす中、有紀の自分を変える為の努力を手助けする事になっていく。

 

 

それは、自分を変えたいと言う有紀の願い。その根底にあるのは康貴への想い。彼の事が好きだと言う、たった一つの思い。

 

だがしかし、それは叶う事は無い。何故なら今、彼の隣には愛沙がいるのだから。言うなれば遅れてきてしまった周回遅れの恋心。誰が悪いわけでもない、ただ間に合わなかっただけ。もし順番が違っていれば、叶うかもしれなかった恋。

 

「でも俺は、有紀とは・・・・・・過ごせない」

 

「俺は、愛沙と過ごすから」

 

なればこそ、彼女の想いを受け止めた上でその手を放す。もう君は大丈夫、弱くなんてない。一人だって歩いていけると。真っ直ぐに受け止め返す。それこそが幼馴染であり思われたが故の宿命が故に。

 

「それから・・・・・・今日の康貴、かっこよかったわ。好きよ」

 

そして愛沙と康貴、誕生したばかりのカップルは少しずつ愛を深めていく。楽天的な愛沙がまなみに蹴飛ばされるかのように背を押され、時に大胆に康貴にアプローチしてみたり。

 

そう、付き合っただけでは終わらない。寧ろ付き合ってからが本番。一度結ぶのは簡単だけれど、その絆を結んだまま固くしていくのは簡単なようで難しい。この巻できっと本当に始まるのだ。康貴と愛沙、恋人同士の二人の物語は。だからこそ、お楽しみはきっとここから。

 

前巻まで楽しまれた読者様、是非読んでいただきたい。この作品はきっと本番はここから。付き合って、深めて、そして成長していくからこそ周りに目を向けられる。周りに影響を与えていける。

 

その様にきっと、貴方も満足できるはずである。

 

幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら3 再会した幼馴染の家庭教師もすることに (ファンタジア文庫) | すかいふぁーむ, 葛坊 煽 |本 | 通販 | Amazon