読書感想:元カノ先生は、ちょっぴりエッチな家庭訪問できみとの愛を育みたい。1

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は忘れられない恋というものはあるであろうか。男は恋をフォルダごとに保存し、女は恋を上書き保存していくというけれど、それでも忘れられぬ恋というものはあられるであろうか。

 

主人公である高校三年生、明るく正義感が強いけれどその威圧的すぎる外観のせいで遠巻きにされ何処か孤立気味の青年、透真。彼には二人、忘れられない年上の恋人がいた。

 

特に自分に落ち度はなかったはずだけれど、何故かフラれた、理由もわからずに。ならば引きずってしまうのも無理もないかもしれない。だがしかし、運命の女神様というのがいるのであれば、優しいのか、それとも悪戯好きなのか。高校三年生の始まりの日、彼は新任の教師として学校に赴任してきた二人の元カノと再会してしまう。

 

「貴重な青春時代を遠距離恋愛に費やすなんて、もったいないから・・・・・・」

 

新任の家庭科教師、琥珀(表紙左)。彼女が透真をフッたのは思い込みによる残酷な優しさのため。

 

「それは・・・・・・私が悪い女だからよ」

 

新任の養護教諭、朱里(表紙右)。彼女が透真をフッたのは、やはり彼の為を思ったちょっとズレた優しさの為。

 

 だがしかし、二人ともに本当に嫌いになった訳では勿論ない。それは勿論、透真も同じ。何も拗れず一方的に途切れた恋心は再び再燃する。となれば画面の前の読者の皆様もどうなるかもうお分かりであろう。両片思いの矢印が計四つ、これより始まるは琥珀と朱里の透真を巡る恋のさや当てである。

 

奇しくも何の因果か、気付かぬ間に透真の部屋の両隣の部屋をそれぞれ借りていた琥珀と朱里。ともなればもうお分かりであろう。学校では教師と先生だけど、プライベートでは距離の近い、本当の意味でのお付き合いが出来てしまうのだ。

 

ある時は琥珀が透真の部屋にご飯を作りに来て、裸エプロンなんてサービスショットを披露したり。

 

それに負けじと、朱里が高校時代の制服を引っ張り出してきておうちデートにもつれ込んだり。

 

これの何処がちょっぴりエッチだと言うのだろうか。思わずそうツッコミたくなるほどに繰り広げられる恋のさや当てに、場所も時間も関係なく。けれど、三人ともどこか楽し気に。

 

「ありがと。俺、ふたりに愛されて嬉しいよ」

 

それは一体なぜなのだろうか。その理由はきっと、二人にとって透真がそれほどに魅力的な男の子だからなのだろう。きちんとあの頃と同じように恋人として見てくれて、危ない時には庇ってくれて。自分より二人の事を優先してくれて。そんな彼だからこそ、何処か安定感のあるこの三角関係は成り立つのかもしれない。

 

何処か安定した三角関係が好きな読者の皆様、ドタバタ感とエロティックな空気のあるラブコメが好きな読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

元カノ先生は、ちょっぴりエッチな家庭訪問できみとの愛を育みたい。1 (HJ文庫) | 猫又ぬこ, カット |本 | 通販 | Amazon