前巻感想はこちら↓
読書感想:不屈の冒険魂 雑用積み上げ最強へ。超エリート神官道 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で不遇がスリーアウトな職業である「神官」を選んでしまったけれど、不屈の心で雑用をこれでもかと積み上げ、NPC達からの好感度を積み上げたりしながら徐々に認知の広がってきたこの作品の主人公であるユキムラ。彼だけにしか出来ない、そう思わせられる程に地道すぎるその姿は注目されるという事は、前巻を読まれたであろう画面の前の読者の皆様であれば、ご存じであろう。そう、注目されるのである。それは時に、運営からすらも。
新たな街で待っていたのは転職クエスト。海上安全、商売繁盛、大漁を祈願するためのお祭りを進水式と共にクリアしようやく転職クエストも半分。時に二度目の妖精イベントへ寄り道したり。
が、しかし。しばらくの逗留を強いられた新たな街、そこにそびえる大神殿の学び舎で待っていたのは学生としての生活。リアルと何にも変わらないのでは、と言わんばかりの学びと修行の日々であった。
ある時は図書館にこもってレポートを書くことを要求されたり、またある時は歌いながらの持久走に励む事になったり。
実際にあったら、もう引退してしまうのではないだろうかというクエストの数々もユキムラの足を止めるには至らず。溜息を吐き、戸惑ったりしながらも地道に修行に励むユキムラ。
「設定がリアル過ぎて、ゲームらしい娯楽要素がほぼなくなっていますよね。よく頑張っていると思いますよ、あの神官の彼」
彼の姿は、日々ゲームバランスと対応に四苦八苦する運営の目にも止まり、気付かれぬように彼の転職を支援しようと運営の面々も動き出す。それも当然であろう。何故なら彼しか支援系神官の目玉になれるプレイヤーはおらず、更なるゲームの発展の為にも彼の協力が必要不可欠であるから。
そんな彼等の人知れぬ手助けもあり、どんどんとユキムラは転職クエストをこなし、更なる力を手に入れていく。
彼にしか出来ぬ支援魔法でボスであるバジリスクを倒す鍵となり、王都に蔓延する疫病問題を解決するイベントでは、神の御業が如き力を示して一躍注目を集めて。
人知れず積み重ねる努力と善行が運営すらも動かし、彼に努力の結晶である結果と力を齎していく。そんな、地道な積み重ねの面白さがまた一歩深まる今巻。
前巻を楽しまれた読者様、地道な冒険がやはり好きという読者の皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
不屈の冒険魂 2 雑用積み上げ最強へ。超エリート神官道 (ダッシュエックス文庫) | 漂鳥, 刀彼方 |本 | 通販 | Amazon