読書感想:最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える 3

f:id:yuukimasiro:20210223225247j:plain

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える 2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、前巻でノエルが巻き起こした騒動と狂乱の数々を画面の前の読者の皆様は覚えておいでであろうか。一人を救う為に大監獄すら爆炎の中へと崩壊させた彼。その結果もありヒューゴという新たな仲間を手に入れたノエル率いるクラン、「嵐翼の蛇」。だがしかし、まだまだノエル達のクランは発展途上である。そして上には上というものが存在し、ノエル達の上位互換と言っても差し支えない敵達が存在する。その名は「人魚の鎮魂歌」。七星の一角である大手クランである。

 

ヒューゴを仲間に加え更なる戦力を増し、「嵐翼の蛇」は魔王すらも討ちとれる程に成長した。だが、それは七星であれば既に通っている道。未だ最上位の階へは遠く、更にはノエルは何処まで行っても「話術士」でしかない。その力は最弱、そしてもう彼自身の成長限界も間近。

 

 だがしかし、ノエルがそれを黙って受け入れここで回り道を考えるような人間でない事は、このシリーズを呼んできた画面の前の読者の皆様であればご存じであろう。

 

折しも、「人魚の鎮魂歌」は人工悪魔すらも利用した大陸全土への鉄道敷設計画を始める。無論、これを逃してしまっては彼等に主導権を渡す事になる。それは勿論、避けなければならぬ事態。

 

そして再び、ノエルの策が発動する。

 

「だが、だからこそ、狩り甲斐がある」

 

敵が格上だと言うのは重々承知。けれど倒せたのならば実入りは大きく、それを逃す手はない。

 

手始めに鉄道建設中の貴族の領地にデモを起こさせ、それに乗じて株を空売りし莫大な利益と功労者の地位を手に入れ。

 

「俺は寛容だ。五本で許してやるよ」

 

暴露記事を書き、更なる弱みを盾に脅してこようとした記者を情報量の差で黙らせ、ヤクザ流のやり方で落とし前をつけさせる。

 

「あの少年は面白い。私の全てを賭けて殺すだけの価値があります」

 

 無論、彼のその行いが「人魚の鎮魂歌」の首魁であるヨハン達を本気にさせぬ訳もない。全てをかなぐり捨てて、クランすらも解体させて。彼等は本気で襲い来る。

 

ノエル不在の戦闘の中、窮地からの脱却と死線の先へ進む事で成長を遂げるアルマやレオン達。

 

そんな彼等の成長に自分も負けじと、自らの身の内に疑似的な深淵を創り出す狂気の技術でヨハンへ立ち向かうノエル。

 

しかし、それはノエルの魂を犠牲にする禁断の力。勝てたとしても、寿命の大半を喪うであろう分の悪すぎる賭け。だがノエルは躊躇わずにその手段へと手を伸ばす。自らの命なんて安い物だと言わんばかりに。

 

「この俺こそが、最強の探索者になる男だ」

 

大きな代償の代わりに手に入れた勝利と新たなる可能性。果たしてその先に何が待っているのだろうか。

 

シリーズのファンである読者の皆様、ダーティな面白さが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える 3 (オーバーラップ文庫) | じゃき, fame |本 | 通販 | Amazon