読書感想:神角技巧と11人の破壊者 中 創造の章

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前巻感想はこちら↓

読書感想:神角技巧と11人の破壊者 上 破壊の章 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で謎の「11人目」を追い故郷の村を飛び出し、仲間と共に旅を始めたミヤビ。前巻の最後、彼に告げられたのは自身にとっての恩人である男、メビウスの名であった事は前巻を読まれた画面の前の読者の皆様であればご存じであろう。読んでいないと言う方は今すぐに、ブラウザバックをお願いしたい。

 

では本当に彼が「11人目」なのか? 無論、そうではない。そんな訳もない。中盤戦となる今巻の最初で正体が明かされる、という訳もないのは当たり前である。

 

「俺が見てきたものが何だったのか。もう俺にも断言なんかできないよ」

 

巨大なる銀甲冑を従えし機械人形に連れられ、滅びた帝国へと向かったメビウスを追う中、思わず零されるミヤビの弱音。信じたものが全て消えた少年の、心の叫び。

 

「探してみなさい、ミヤビ。それはあなたの目で見える所にありますわよ」

 

だが、それを受け止めてくれる仲間達がいる。例え最初は作られた運命だったとしても、今はもう自分の足で歩き出している。それを思い出し、再び立ち上がるミヤビ。

 

 そしてもう一度駆け出していく旅の先。彼を待っているのは新たな仲間と新たな敵、そして新たなる神角技巧。

 

清潔を極めるという汚染に覆われた帝国跡地、メビウスは犯人ではないと知り、機械人形を仲間とし。

 

商会の本拠地である犯罪都市、機械人形のパーツを盗んだ大海賊を追ってみれば、南国の島国の王子と絆を結び。

 

11人目の手掛かりを追い辿り着いたのは、全てが腐敗に満ちた人外魔境、放逐された研究者達の聖地。

 

そしてミヤビは新たな強敵達。新たな神角技巧と矛を交え、激突する事となる。

 

巨大なる銀甲冑から海を往く巨大海賊船、更には防衛の為に海を往く潜水艦から、死霊術により操られる巨大なる骸まで。

 

 

「11人目」の正体を追えば未だ判然とせず、次々と容疑者は移り変わり。しかし、戦いと出会いを続ける先、ミヤビの仲間はどんどんと増え、旅路はどんどん賑やかに、大所帯になっていく。

 

そして、確かな事は一つある。旅をつづけ神角技巧と戦い、確実に破壊していく。そうすればおのずと容疑者は絞り込まれていく事は明白。

 

そう、容疑者候補は残り僅か。だからこそ、この旅ももう終わりへと向かっている。結実と決戦の時は、もうすぐそこまで迫っている。

 

だからこそ、来月発売の最終巻で明らかになる真実と最終決戦はどんなものか。

 

そこに期待しかないのが、確かな一つの事実であると私は言いたい。

 

神角技巧と11人の破壊者 中 創造の章 (電撃文庫) | 鎌池 和馬, 田畑 壽之, はいむら きよたか, 田畑 壽之, はいむら きよたか, 田畑 壽之 |本 | 通販 | Amazon