読書感想:神角技巧と11人の破壊者 上 破壊の章

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。鎌池和馬先生と言えば、貴方に取っての代表作を聞かれれば一体何と答えられるだろうか。無論、その答えは読者の皆様それぞれによって異なるだろう。どれしもが代表作であると言える程に知名度が高く、それほどに刊行されているシリーズ作品が多いからである。

 

ではこの作品の感想を書いていく前に、まず初めに予め述べておくと、この作品は三か月連続刊行が決定している、言わば三部作の作品の序章である。そして、とあるゲームプロジェクトのシナリオを小説として刊行したものであるらしい。

 

ではこの作品はどんな作品であるのか。その答えは只一つ、超常的な力を持つ巨大な兵器同士がぶつかり合う、最強対最強のバトルという事である。

 

とある異世界には十人の超常的な力を振るう者達がいた。その力の名は「神角技巧」。人類の技術や文明でも対抗不可能な生命体、「邪神」の角を取り込み核として創り出された、絶対的な兵器。

 

破壊も創造も自由自在。そんな無敵な力を受け継いだ一人の少年がいた。彼の名はミヤビ(表紙右下)。辺境の村の木こり見習である彼は神角技巧とその所有者同士の戦いに巻き込まれ、所有者の一人であったメビウスという男から、神角技巧を譲り受ける事となる。

 

彼が受け継ぎし神角技巧の名は「ルシフェルホーン」。悠々と無人で空を往く、自由自在に作り出した砲撃を撃ちだす、強大無比なる爆撃機

 

その力を手にしたミヤビの元へ迫る喫緊の課題、巨大な商会の一人娘であるセリーナ。彼女が操縦する神角技巧、巨大装甲列車シュバルツシュッツェ。

 

そして、ミヤビが戦わなければいけぬ敵は十人の所有者の中にいる「十一人目」。一都市を消滅させる程の威力を持つ特殊な爆弾を用い、気紛れに混沌と被害を齎す謎の敵。

 

その脅威を止める為、錬金術を使いこなすエルフ、アリシア(表紙左)、唯一確認されている邪神の幼体のアルマ(アリシアの手の中)、アルマの監視の為に派遣された役人、ヘレナ(表紙右上)と共に旅に出るミヤビ。

 

十一人目を追い旅をするミヤビの前に立ち塞がるは、何れも強大無比なる神角技巧とその所有者。ぶつかり合うしかない状況は続く、故にこそぶつかり合う。

 

セリーナとシュバルツシュッツェと激突したかと思えば、雪の国を往く、巨大なる騎士の槍とその所有者と激突する事となったり。

 

そして戦いの中、只の少年であったミヤビは徐々に成長し、「力の意味」を手に入れる。何故壊し、創造するのか。その力を何のために振るうのか、という意味を。

 

「お前は悪くない。今までみんなの命令を聞いてくれてありがとう、本当によく頑張ったな」

 

神角技巧を破壊する度、その力と宿されていた思いを受け継ぎ、彼は進んでいくのだ。

 

気持ちの良い熱血系主人公が好きな読者様、巨大な力同士のぶつかり合う戦いが好きな読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

神角技巧と11人の破壊者 上 破壊の章 (電撃文庫) | 鎌池 和馬, 田畑 壽之, はいむら きよたか, 田畑 壽之, はいむら きよたか, 田畑 壽之 |本 | 通販 | Amazon