読書感想:わたし以外とのラブコメは許さないんだからね(2)

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前巻感想はこちら↓

読書感想:わたし以外とのラブコメは許さないんだからね - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、前巻の感想でも語った通りこの作品の主人公である希墨とヨルカは付き合っている。簡単に言ってしまえばこの作品はアフターストーリーである、それは前巻から変わらず、更に前巻の最後で二人は交際している事を周りに報告している。では今巻では一体何を描くのか。その答えは一つ、それは「恋の終わり」である。

 

新学期も始まり一か月。周りに恋人宣言をし、更にいちゃつきの度合いが増していく希墨とヨルカの二人。

 

「喧嘩しながらイチャつくなんて器用ですね。しかも教師の前で」

 

独身である担任、神崎先生に嫉妬されるほどに二人のいちゃつきは更に高まりを見せていた。

 

そんな二人の前に現れる少女が一人。彼女の名前は紗夕(表紙)。かつて希墨と同じ部活に所属していた後輩であり、希墨を追いかけて同じ高校へと入学してきた後輩である。

 

何故彼女は希墨を追いかけてきたのか。聡い画面の前の読者の皆様ならもうお分かりであろう。その理由は勿論、恋。希墨の事が好きだからこそ彼の事を追いかけてきたのである。

 

だが彼女の予想に反し、既に希墨の周りには多くの人間関係が形成されていた。そしてヨルカという、完璧な彼女がいた。

 

だがしかし、恋心というものはそう簡単には終われはしない。何せまだ、告白すらもしていたいのだから。

 

「そうやって糧にして、相手が死ぬほど後悔するくらい、いい女にならなきゃ駄目でしょう」

 

そんな彼女へ、かつて希墨に告白し玉砕した朝姫は諭すように言う。恋心はきちんと消化しろと。

 

「・・・・・・この防御ひどくありません?」

 

「非常事態につき、手段を選べなかった」

 

思わず想い溢れ出し、その想いを告げれど希墨はその告白を拒み。

 

「多分、希墨になら裏切られてもいいかなって思ってるから」

 

そしてヨルカは確信と共に答えて見せる。絶対に希墨は自分の事を裏切る事は無い、だから貴方が側にいても気にならないと。

 

正しく入り込める余裕もない程に、強固な二人の絆。だから自分の想いは、もう届く事は無い。どれほど略奪を企んでも、その心だけは奪えない。その厳然たる事実に気付けた時、彼女の恋は終われたのだ、やっと。

 

二人の間に入る余地なし、その絆はもう不変。だからこそ終わり損ねた恋が終わる様は鮮やかに切なく。

 

そして希墨とヨルカの二人は未だ始まったばかり。だから、ハグをしたり、二人で遊んだり。そんな始まったばかりのいちゃつきが何処までも甘く。

 

そんな一冊で二つの面白さが楽しめる今巻。そして同時に、ラブコメとして確かにレベルアップするのが今巻である。

 

前巻を楽しまれた読者様、やはりラブコメが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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