読書感想:落ちこぼれ竜騎士、神竜少女(バハムート)に一目惚れされる 2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:落ちこぼれ竜騎士、神竜少女(バハムート)に一目惚れされる - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、今巻の感想を語っていく前に画面の前の読者の皆様には少し思い返していただきたいが、そもそもこの作品の主人公であるアルトが苛めを受けていた原因とは何だったであろうか。とある一人の少女を助けたら、という理由であった筈であろう。何故こんな事を改めて確認したのか。それは今巻においてそれが重要な要素だからである。

 

前巻の騒動を解決し若き英雄として名を馳せるも、まだまだ自分には力が足りぬと痛感し。再びユスティーナの監督の元、修行に励むアルト。今巻の物語の流れは彼がユスティーナに提案され、彼女の両親にご挨拶へと出向く事から始まる。

 

だがしかし、肝心なのは親ばかな父親竜とかかあ天下な母親竜との会話ではない。重要なのはその帰り道。とある少女との再会である。

 

彼女の名は、アレクシア(表紙左)。名門貴族であるイシュゼルト家の御令嬢であり、かつてアルトがセドリックより救った相手。

 

「私・・・・・・アルトさまをお慕いしております。もしよければ、私と交際していただけませんか?」

 

まるで運命に導かれるかのように訪れた再会の時。真っ直ぐな告白を受け、戸惑うアルト。

 

そんな彼の前に立ち塞がる相手が一人。その名はテオドール。アレクシアと浅からぬ縁を持つ相手であり、セドリックの弟である。

 

「まさか。汚名は自らの手で返上するものだ。他人が手を貸しても意味はないだろう?」

 

しかしあの兄の弟にしては、という注釈がつくが彼は基本的に常識人である。

 

そんな彼とアレクシアとの交際をかけ望んだ校外試験。しかし前巻にも登場した謎の組織の策が再び炸裂し、突如として介入してきたハグレのエンシェントドラゴンにより、舞台は混乱へともつれ込む。

 

「ユスティーナ。俺のことを信じてくれないか?」

 

だけど。ならばやる事は一つ。操られ苦しむ竜を救う事。今度はアレクシアも加えて皆で。

 

アルトの周りの人間関係が更に深まり、彼を慕う女子の間で友情が形成されたりする中、アルトもまた男友達が出来、更に新たな女子に囲まれる。

 

けれどアルトはユスティーナ一筋。どうすれば彼女に並べるかを四六時中考え、喧嘩したら全力で仲直りの為に奔走する程に彼の想いは深く。

 

作品として円熟味を増し、新たな段階へと面白さが進む今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、王道ファンタジーがやはり好きという読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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