読書感想:影使いの最強暗殺者 ~勇者パーティを追放されたあと、人里離れた森で魔物狩りしてたら、なぜか村人達の守り神になっていた~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は忘れられない人はおられるであろうか。忘れられぬ出会い、忘れられぬ思い出というものはあられるであろうか。

 

魔王が軍隊を率いて人に仇を為し、勇者がそれを阻まんと戦うとある異世界。その世界の勇者パーティの一人、東の国の出身であり影を用いた特殊な呪法を使って戦う暗殺者の少年、ヒカゲ(表紙左)。勇者をサポートし、自分の力を存分に用いて戦っていた彼は今、勇者ピズリーにより追放の欝き目に遭っていた。戦い方が卑怯であるという言いがかりの中、込められていた自分より活躍している事への嫉妬という醜い理由により。

 

一人になったヒカゲは「奈落の森」と呼ばれる光すらも差さぬ森へと一人籠り、呪法を用いて狩りを続け暮らしていた。そんな彼はある日、一人の少女と遭遇、もとい再会する。彼女の名前はエステル(表紙右)。かつては貴族の令嬢であり現在は逃亡奴隷、そして「奈落の森」の中に秘かに作られたはぐれ者達のみが住まう村の住民である。

 

そして何を隠そう、エステルの父親を殺したのはヒカゲの父親であり。エステルと仲良くなり、結果的に彼女を殺せなかった優しき暗殺者がヒカゲだったのである。

 

「手伝ってくれよ。俺の、したいこと探しをさ」

 

彼女との再会、過ごす日々。その中、自分が今までいかに空っぽであったかを自覚したヒカゲはエステルに願う。自分のやりたいことを共に探してほしいと。まずは手始めに村の守り神となるヒカゲ。

 

が、しかし。守り神となって何もせずに楽が出来るかと言われればそうではなかった。何故ならば、この村には守るべき対象がいたから。

 

魔物が取り込んでしまうと強大な力を得る血の持ち主、「邪血の姫」と呼ばれる少女、ミファ(エステルの左隣)。彼女を手に入れんと襲い来る魔物や魔人達を、次々と迎撃していくヒカゲ。

 

そんな彼の元に、魔王に仕える四天王と戦っていた勇者達が現れ、更には彼を訪ねて国王もやってきて。図らずも勇者を倒してその力を見せつけたら、勇者が暴走して魔族に囚われ改造されてしまって。

 

その魔の手は無惨にもエステルの身を傷つけ。彼女を救う為に、ヒカゲは最短距離で魔王への道をひた走る。

 

「さっきも言ったでしょう? ひかげくんを信じてるって。うちの弟が最強だって、お姉ちゃん心から信じてたもの」

 

やっと救えた、やっと守れた、やっと見つけた、己の力の意味。その源であり彼にとっての太陽である彼女はふわりと笑い、彼を照らしてくれるから。

 

王道な最強ものの熱さを楽しみたい読者様、可愛いヒロインを楽しみたい読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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