読書感想:D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる 1

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方はぐーたらするのは好きであろうか。のんびりと気ままに、心のままに。そんな日々はお好きであろうか。

 

とある異世界のとある王国、そのとある街の片隅。そこで万年のんびり、最低限の生活をしながらもぐーたらと引きこもる青年がいた。

 

彼の名前はジレイ(表紙中央)。かつて勇者を目指し十数年ものの訓練を積みながらも、勇者になる事を諦め引きこもる事を決めた青年である。

 

何故勇者になる事から逃げたのか。心が折れたのか。

 

それはある意味で正しいのかもしれない。何故なら彼は勇者になって早めに魔王を倒して後は楽に暮らしたいと願いながらも、ふとした切っ掛けで勇者になっても王様になっても楽にはならないと知ってしまった、天性のぐーたらな性格だったからである。

 

そんな彼の元を、とある少女が訪ねてくる。それは誰か。

 

その名はレティノア(表紙右)。若干十二歳で勇者の一人として選ばれた、元気印でアホの子なちびっこ勇者である。

 

何故ジレイの元を勇者が訪ねてきたのか。それはかつてレティノアが修行時代のジレイに命を救われ、ずっと共に戦いたいと願ってきたからだ。

 

そんな事はまっぴらごめんだとばかりに、隣国へのさるやんごとなき方を護衛する依頼を受けるついでに逃走を選ぶジレイ。

 

が、しかし。その依頼へと何故かレティノアが仲間と共についてくる。

 

そして実は、護衛対象である謎の少女、フィナ。彼女の正体は、実は国民から大人気の王女、ラフィネ(表紙左)だったのである。

 

彼女が運命の人と呼び追い求めている「黒髪の勇者」。

 

もう画面の前の読者の皆様も察していただけただろうか。

 

「勇者が人を助けるのは―――当たり前だろ?」

 

そう、やっぱりその正体はジレイだったのだ。修行時代、魔法の修業の為に何も見えなくなる仮面を被りながら行動していたからこそ彼女の正体に感づかなかった訳である。

 

ここまで書いてきた中で画面の前の読者の皆様にも分かっていただけたと思うが、今こんな状況に陥っているのはジレイの行いが巡り巡って帰ってきているだけであり、ある種の因果応報である。

 

だけど、目立ちたくないとは言いながらもその心と行いは目立ってしまう。

 

貴族出身の冒険者、カインをその行動で驚かせ彼の根底を変え。

 

「こうすれば、解けるだろ?」

 

そして、一撃で魔王軍幹部と名乗る敵を圧倒的なまでの力で片付けてしまう。

 

そんな因果応報のドタバタが見所なのがこの作品であり、自分の過去の行いに追いつかれそうになるジレイが溜息を付きながら逃げ回る、その様が面白いのがこの作品である。

 

ドタバタなファンタジーが好きな読者様、気軽に笑いたい読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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