読書感想:勇者の棺桶、誰が運ぶの? ポンコツ娘は救われ待ち

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問:救助と言えば?(複数回答可)

 

答:ポケモン不思議のダンジョン(DS版でやり込んだ真白優樹である) 救援能力(ガウリールの使い手だった為)

 

さて救援能力とは何ぞやというツッコミに関しては各自調べていただくとして、救助隊というのは大切な存在である。彼等の存在により命を救われた存在も数多くいる筈である。

 

それはこのファンタジー異世界でも同じ。この作品は、異世界に存在する救助ギルドで働く主人公、レスク(表紙左)の日常を描くお話である。

 

では救助ギルドとは何か? その答えは、この異世界において救助ギルドが大切だからである。

 

なぜならば、この人間と魔物の小競り合いが続き時折五大災害と呼ばれる厄災が巻き起こり、邪神により魔王が復活した世界で。五年前に何故か突然、世界から治癒魔法が消えてしまったからである。

 

もうお分かりであろう。いざという時に治療できなければ死んでしまう危険性が大幅に高まってしまうかもしれない。故に冒険者のような職業の人間達には危険が付きまとう。

 

そんな困った人達を救うのが救助ギルドの役目、しかしレスクには困った固定客と言っても過言ではない存在がいた。それがこの異世界の勇者、しかしてぽんこつ娘ティリィ(表紙右)である。

 

雑魚なモンスター達にもやられ、油断して罠に嵌ってまたやられ。

 

しかし勇者は何故か死なず棺桶となり。教会で復活出来るけれど棺桶は誰かが運ばなければならず。

 

ティリィが死ぬたびにレスクは駆り出され、魔物達に囲まれた場からの逃避行を余儀なくされる。

 

そんな彼が相棒と共に救助していくのは勇者だけにあらず。助けを求める人あらばどんな救助も請け負う、それこそが彼等の務め。

 

ある時は救助ギルドに不信感を抱く冒険者二人の救助に向かい。

 

またある時は、老夫婦の手助けをしたり。少女に依頼されて猫を探す事になったり。

 

だがその賑やかでわちゃわちゃな日々に影を落とす存在が迫り来る。その名は五大災害の一体、火災竜。レスクとティリィの故郷を破壊した因縁の災害。

 

全員の力を合わせて立ち向かい、その中であの日のように守れぬティリィは涙を流し。

 

「俺に世界を救う力はないかもしれないけど、今度こそ大切な人を救いたい。もうお前の涙は見たくないんだ・・・・・・!」

 

その涙を見たレスクは吠える。もうあの時のような目は御免こうむると。その背中を憧れの存在が押し、死した故郷の者達が押し。駆けつけ共鳴したレスクとティリィの力が今、災厄を滅ぼす光となる。

 

気軽に笑えて、熱く燃えて、そして二人の絆にほろりと来て。

 

そして過去を越え、散った者達の想いを背負い、勇者と救助人は本当の意味で歩き出す。

 

心熱くさせてくれる作品という他ない、様々な楽しみ方が出来る、だからこそ真っ直ぐに面白いのがこの作品である。

 

直球のエンタメが楽しみたい読者様。心が元気になりたい読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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