読書感想:我が魔道書は此処に在り 没落貴族と魔道学院

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方はファンタジーはお好きであろうか。それも古き良き、全く以て王道と言えるファンタジーはお好きであろうか。

 

ではここで一旦話を置いといて、画面の前の読者の皆様は富士見ファンタジア文庫の金字塔の一つであり伝説の一つ、フルメタルパニック!シリーズ、その製作陣が再び集結し製作された続編、フルメタルパニック!アナザーシリーズはご存じであろうか。

 

何故こんな事を聞いたのかって? それはこの作品の作者である大黒先生がそのアナザーシリーズの作者であり、かのシリーズがデビュー作となった変わった経緯でデビューされた先生だからである。

 

 

ではかの大黒先生は、この作品では何を見せてくれるのか。その答えは、今はもうめっきり見なくなったと言っても過言ではないかもしれない、古き良きファンタジーライトノベルの隆盛期を支えた屋台骨の一つである王道ど真ん中のファンタジーなのである。

 

魔道書が貴族の誇りとされる異世界で、七年前に貴族の名門公爵家、ロレーヌ家は壊滅した。陰惨な襲撃を受け、貴族の誇りである魔道書を奪われるという最悪の形で。

 

時は流れ七年後、伝統ある帝立魔道学院の門を叩く二人の影があった。公爵家の忘れ形見にして幼き後継者、ルネ(表紙左)。彼女の幼き頃からの騎士、アルト(表紙右)である。

 

伝統ある魔道学院に集ったのは天賦の才に溢れる若き俊英達。二人を狙い襲い掛かってくるのは、彼女達が表舞台に立つのを願わぬ七年前の事件の黒幕達。

 

だが、しかし。二人は決して屈しはせず止まりもしない。何故ならば胸に打ち立てた不屈の誓いがあるから。

 

七年前の事件の仇を討ち、没落した家を絶対に再興させる。

 

その誓いを胸に、二人は強大な敵へと果敢に戦いを挑んでいく。

 

「喰らって、耐える!」

 

腹を括って、二人にしか出来ぬ奥の手を武器として。

 

そう、彼等は皆魔道へとその身を捧げた志ある者達であり、敵も味方もその胸に絶対不倒のそれぞれの理念を持った者達なのだ。

 

だからこそ、彼等の激突は単純な善悪のぶつかり合いとは言えないのかもしれず、それだけに留まらぬ何とも言えぬ奥深さがあるのは確かなのだ。

 

古き良き、王道ど真ん中でド直球のファンタジー。古いというのならば是非読んでみてほしい。そして感じてみてほしい。今の時代の読者の皆様の中には知らない人もおられるかもしれない面白さがここにはある。

 

ファンタジーが好きな読者様は是非。きっと満足できるはずである。

 

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