前巻感想はこちら↓
https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/05/14/234439
次回、コマリさん海へ行く。さぁーてこの次も(以下自主規制につき省略)
さて、下らないというか恐らく滑っているであろう小ネタな前置きは途中省略として、今巻は初めてコマリが外国へと出向く巻であり、国外についてのお話が本格的に語られる巻である。そして、世界にコマリの覇道がこれでもかと示される巻なのである。
では、そのカギとなるのは誰か。それは外国である剣の国の将軍、ネリア(表紙左)である。
やっと取れた休暇を満喫するために、サクナやヴィル達と共に海へと向かうコマリ。その彼女の元を訪れたネリアは提案する。
「一緒に世界を征服しない」?と。
一方、別の国である天照楽土から来訪した外交使節、カルラもまた提案する。
「一緒に世界を平和にしませんか」?と。
二人が提案する方法は違うのかもしれない。だけど、それは確かにコマリが望む世界平和と心同じくする思想であり、平和にする方法は違えど、その思いは同じなのである。
悩み再び誤解と勘違いの果てに、巻き起こるは国対国、世界を巻き込む大戦争。
その戦いの中、明らかとなるのはネリアを縛る呪縛の鎖。そして剣の国を蝕む卑劣な科学者の悪逆非道な思惑。
どの国もどの王も。世界の平和を願っている。だけど武力による世界征服は意味がないと皇帝は断言する。人と人とが助け合える世界こそが理想である。その為に悪人を成敗し、人の心に希望を齎して救世主であり改革の旗振り役となる者こそがコマリであると。
「おことわりだ」
「お断りよ」
最後に二人そろっての拒絶を突き付けられ。光の中に消し飛ばされるその一瞬まで。彼が悪役としての姿を貫いたのは、やぶれかぶれか、矜持か。それともコマリに魅了されたが故の選択か。
平和を目指す為、並び立つだけが形ではない。己と仲間達の武をぶつけ合い殺し合いを繰り広げ、それでも笑顔でぶつかり合って笑い合える彼女達の事を、「友達」であり「同士」と呼ぶのだろう。
今巻は前巻までとは違い、一気に畳みかけていくのではなく布石を一つずつ着実に積み上げ、一気に崩すかのような展開をしている。しかし、だからこそ一気に崩れたその瞬間から面白さが跳ね上がり駆け抜けるのである。
前巻を楽しまれた読者様、やっぱりファンタジーが好きという読者様も是非。きっとまた満足できるはずである。