前巻感想はこちら↓
https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/05/15/002036
さて、先に残念なお知らせをする事をお許し願いたい。この作品は今、二巻打ち切りの危機に陥っているらしい。なのでどうか画面の前の読者の皆様。この作品を応援してほしい。私個人としては、この作品は今の世の風潮の中でこそ続くべき作品であると思うので。
ではこの二巻はどんな物語が展開されるのか。
その答えは迫る夏という季節へ向けて深まる家族の絆。そしてかつてリヤンが殺し損ねてそのまま忘れ去っていた魔族、ゼノリオがレイの命を盾として真夏の吹雪を巻き起こすという騒動の一幕である。
「あのね。私が眠るまでパパかママかそばにいてくれたら嬉しいなぁ・・・・・・って」
愛娘であるアマデウスの控え目ながらも可愛らしいおねだりに心撃ち抜かれて。
甘々な夫婦のじゃれ合いをしていたら愛娘に邪魔され、危うくその毒に侵されそうになったり。
しかし、そんな尊い日々を邪魔せんと言わんばかりに、リヤンへの身勝手な復讐の憎悪に燃えるゼノリオが街を吹雪で包み。
街を、街の人達を守る為、レイは自らの体をかけて術式を発動させる。
制限時間は一時間。どう考えても八方塞がりなこの窮状。しかし、レイは一切躊躇う事もなくその命を賭ける。それは何故か、何故出来るのか?
「ああ。一時間で帰ってくる」
それは誰よりも愛する夫、リヤンがいるから。誰よりも信頼している夫がいるから。
世界の危機の吹雪だって、最強の父娘にかかってしまえば近所のスーパーに買い物に行くようなもの。だから失敗なんてありえない。
「うるせぇ、死ね」
そしてゼノリオは触れてはいけぬ逆鱗に触れた。ならば待っている結末はただ一つ、死あるのみなのだ。
世界の危機をまた一つ乗り越え、夫婦の絆も親子の絆もまた高まり。まだまだ敵の黒幕の尻尾を掴んだばかりだけど。きっとそれでもこの絆がある限り大丈夫な筈。
そう無条件に信じさせてくれる程に、熱くて甘くて尊い、夫婦、そして家族の絆がこの作品には溢れているのである。
もう一度言うが、この作品は今打ち切りの危機に瀕しているらしい、後書きによると。だがそれは起こってはいけない最悪の現実である。無論他の数多の作品もであるが、この作品も末永く、最後まで駆け抜けるべき作品であると私は思う。
だからこそ、画面の前の読者の皆様も応援してほしい。
前巻を楽しまれた読者様、家族ものが好きな読者様、そして全てのファンタジー好きな読者様には是非読んでみてほしい。
きっと、満足できるはずである。