読書感想:異世界に転移した俺のログインボーナスが明らかに強すぎる件について

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方はソシャゲに類するゲームをプレイされたことはあるだろうか。もしプレイされた事があるならば、ログインボーナスはどんな時にもらえたら嬉しかっただろうか。因みに私は、ログインボーナスよりも緊急メンテ等のお詫びの方が何だか得した気分になる派である。

 

異世界転生、または異世界召喚、その王道と言えばトラック等の交通事故・・・ではあるが、そんな王道な出来事が特に起きず異世界に召喚された少年がいた。彼の名前はカトウ(表紙右)。高校生だけど中二病な、ちょっと痛々しくて年相応にお馬鹿な少年である。

 

彼が手にした異世界召喚の特典、それこそが言わば「ログインボーナス」。一日が経過するごとに強力な何かを獲得できる、一種のチートな特典である。

 

「問おう、お前が私のマスターか」

 

何処かで聞いたような台詞で問いかけた相手は、カトウを召喚した呪いをかけられた少女、ユミナ(表紙真ん中)。転移一日目にして得た霊薬、エリクサーで容易く彼女を救い出した事からこの作品は幕を開ける。

 

彼の周りにログインボーナスで増えていくのは、強力な道具と魅力的な美少女達。

 

二日目のログインボーナス、彼の元に召喚されたのはぽんこつオタクなエルフの皇女、リーファ(表紙左)。三日目のログインボーナス、得たのは人間型にも変身できる魔剣、フレイ(カトウが所持している剣)。

 

しかし、一見完璧に見えた彼の異世界生活は途端、ぐだぐだで騒動に満ちたものへと変わってしまう。

 

まぁそれも当然かもしれない。何故なら、カトウの良い所は現状ログインボーナスのみであとは普通のお馬鹿な高校生であり、ユミナは彼を妄信し甘やかし、リーファぽんこつで頼りにならず。結果的に頼りになるのはフレイくらい。

 

そんなぐだぐだパーティが異世界で巻き起こしていく様々な騒動。

 

カトウが異世界でヒモになったり、山でゴーレムと激突したかと思えばそのせいで押し寄せたオークの大群をマッチポンプが如く討伐する事になったり。

 

ぐだぐだとままならぬ、馬鹿と妄信とぽんこつ、そして常識人の異世界カルテット。しかしこれで彼等はきっと良いのだろう。何故ならこの作品は異世界コメディだからである。

 

だからこそ、特に大したことが起きなくても。何も発展していないぐだぐだばかりだとしても。

 

コメディだからこれで良いのだ。何も考えず馬鹿やっているからこそ、特に気を入れる事もなく肩の力を抜いて読める作品となっているのである。

 

お馬鹿なノリに触れたい読者様、中二病な主人公が好きな読者様は是非。きっと満足できるはずである。

 

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