読書感想:七つの魔導書と再臨英雄

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さて突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方はもし宝くじに当たったらそれは一体何のおかげと思われるだろうか。自分が偶々運がよかっただけと思われるだろうか。それとも、それこそが運命だと思われるだろうか。

 

さて、かつて世界を乱す大悪により秩序を守る六人の女神が殺されたこのファンタジー異世界。そこのとある国、その片隅のスラム街で一人何とか生き抜く少年、アラステア。

 

しかし、彼の正体、という名の前世は世界を救った大賢者にして大悪の弟、フェリクス。そして彼がこの世界に生まれてくるのをずっと願い待ち続けていた魔導書の化身にして七人目の女神、エレフィール(表紙)。いつかの未来で約束されていたこの二人の再会より、この作品は幕を開けるのである。

 

生まれ変わろうと世界を救う使命をその身に課せられたアラステア。彼の為、彼をもう一度英雄にするためその力となる為に、一万冊もの魔導書を集めていたエレフィール。

 

そして、アラステアは転生しても尚、大賢者の器であり、圧倒的なキャパシティと学習性、更には一瞬でアレンジを施す程の応用力を身に着けていた。

 

 

だがしかし、それはアラステアの力ではなく大賢者である前世が故の力。誰もが苦労して進む道を一足飛びで飛び越えていく、恥知らずの行いだ。しかし、それをエレフィールは望む。そして、アラステアの前世に関わる誰もが彼を前世の人間であれといい、そうである事を望む。

 

しかし、彼は。

 

アラステアはそこに否、を叩きつけた。

 

確かにこれは借り物の力だ、自分の力ではない誰かの力だ。

 

だからこそ自分はこの力を誇らない、絶対に自分の力で強くなって見せると。

 

この瞬間、「大賢者、フェリクス」ではなく。「アラステア」というたった一人の少年自身の英雄譚が確かに始まったのだ。

 

 

この作品は王道なファンタジーである。極大と言っても過言ではない大魔術がこれでもかとぶつかり合う、熱さが限りないバトルが見所である作品である。

 

 

そして、この作品は前世というよくある最強ものの要素を完全に否定し、否を叩きつけ。己は己であると声高に叫ぶ、一人の少年の英雄譚であるのだ。

 

「いちいち誇るようなことじゃない」

 

己の力を決して誇らぬ少年の、ここから始まる英雄譚。どうか見逃さず読んでみてほしい。

 

王道ファンタジーが好きな読者様、おねショタが好きな読者様。そして何より三度の飯より、熱いバトルが好きと言う読者様にはお勧めしたい。

 

きっと、貴方は満足できるはずである。

 

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