読書感想:最弱無能が玉座へ至る1 ~人間社会の落ちこぼれ、亜人の眷属になって成り上がる~

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突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方は王になりたいタイプであろうか、それとも王に仕えたいタイプであろうか。もし仕えたいタイプであるなら、貴方はどんな王に仕えたいだろうか。

 

「聖なる騎士の暗黒道」シリーズでHJ文庫で好評を博する坂石遊作先生の新作であるこの作品。小説家になろうでも連載されているこの作品は、果たしてどんな作品であるのだろうか。

 

 

その問いに答えを述べるのならば、この作品はまごう事無きファンタジーである。そして、ただ一人の少年を巡り様々な種族が火花を散らす、王道なハーレムラブコメでもあるである。

 

人が必ず何らかの異能を持ち、様々な種族と共存して暮らしている、過去の大戦を乗り越えた異世界

 

この世界で只一人、何の能力もない落ちこぼれとして蔑まれ苛められる少年、ケイル(表紙左)。しかし、彼の中にも確かに異能の力は眠っていた。それも、最強になり得る無敵の可能性を持つ力が。

 

しかし、その力は彼一人では発動する事も出来ぬ力。その力の名は王の素質。どんな種族の特性にも適応し、異種族の眷属となる事で異種族の王となる矛盾した無敵の力なのである。

 

その力を目覚めさせるきっかけとなった、吸血鬼の王女、クレナ。何処か孤高の存在に見えて実は純情でぽんこつ、そんな彼女の眷属になった時、ケイルは無敵の力を宿す。

 

しかし、その力はケイル一人での力ではない。だからこそ、単独では彼は何の力もない最弱無能でしかない。

 

だからなのか、力に驕る事無く謙虚に、彼女達に向き合うケイル。そんな彼に惹かれていき、眷属に関わらず自分のものにしてしまいたいと願うクレナ。

 

そんな二人を阻むかのように炸裂する、吸血鬼の重鎮の黒い思惑。

 

だが、一見絶望的な戦い方に見えても。彼の中に目覚めた力は王の力だから。

 

「・・・・・・お前だけは、許さない」

 

怒りと共に告げたその瞬間。吸血鬼の王となった彼の元に全ての血は頭を垂れ跪く。まるで王に仕え、その敵を悉く討ち滅ぼす臣下のように。

 

この作品は王道のファンタジーである。そして、全ての異種族の王となれる力を持つ少年を巡り異種族の少女達が火花を散らす、真っ直ぐ真ん中を突き抜けていくハーレムなラブコメなのでもある。

 

だからこそ、言いたい。この巻はあくまでプロローグ。彼の力が目覚め知れ渡り、ここから全てが始まっていくのだ。全ての異種族の王とも天敵ともなり得る少年の物語は。

 

ハーレムなファンタジーが好きな読者様、真っ直ぐに熱いバトルが好きな読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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