読書感想:伝説のおねえさんたちが、勇者のいうことを聞いてくれないのですが

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さて、画面の前の読者の皆様は年上の人に振り回されるのは好きであろうか。それとも振り回したい方であろうか。

 

さて、この作品の主人公、ハルドールことハルは様々な異世界へと召喚され続け、最強となってしまった勇者である。そして今回の召喚では肉体が若返って子供になってしまってはいるが実際的にはもう壮年のダンディなおじさまである。

 

そんな波乱万丈すぎる人生経験を経て、今回の異世界で求められるのは様々な魔王達が暴れ回る異世界。群雄割拠な異世界で、自らの平和な世界を守りたい万能の魔王、ジャマリエールことじゃじゃ様に武器として託されたのは、二人の異世界出身の女性、シロことマシュローヌ(表紙左)とクロことグローシェンカ(表紙右)である。

 

しかしこの二人は、都合の良い武器のような存在ではなく、きちんとした確固たる意志を持つ女性である。そして、ハルが現在の主人であるものの、元は他にきちんとご主人様がいる存在である。

 

ではそんなじゃじゃ馬な二人は果たして本当に戦力となり得るのか。しかし、そんな二人を戦力として振り回し掌の上で転がし弄り倒すのが、ハルである。

 

それはもう、おねショタの逆であると言わんばかりに。攻守逆転の典型的な例であると言わんばかりに。

 

それが出来てしまうのは、そもそもハルドールが武器なんぞいらんと言わんばかりに素で最強だからである。

 

この作品は、言ってしまえばおねショタではない。寧ろショタおねと言ってしまったほうがいいかもしれない。しかし、だからこそ昨今の一部でのおねショタブームの中で違った魅力として映るのかもしれない、そんな作品である。

 

嬉野秋彦先生だからこそ、きっとこういう作品は書けるのだろう。そう言っても過言ではない、独自の味が強いのだ。

 

嬉野秋彦先生の作品が好きな読者様、一般的な面白さとは一線を画する面白さを楽しんでみたい読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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