前巻感想はこちら↓
https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/02/14/225202
さて、感想を始める前に画面の前の読者の皆様の中でこの作品の一巻を読んだ読者様はこう思っているのではないだろうか。え、もう落とすというか堕ちてるよね?と。この二人、もう恋人同士だよね? と。
しかし古来よりアカシックレコードもとい現代よりみかみてれん先生はこう言っている。この題名はいつだってスタートラインを示しているだけ、だと。付き合いだしてからのイチャラブが本番なのである、と。
その理論に基づき、壮大なプロローグを経ての今巻。既に完成している関係の二人の何を描くのか?
それは恋人同士というだけではない。これから先もずっと共にいる為の、二人にとって大切な成長の儀式である。
鞠佳はこれからも共にいる為にファミレスでバイトを始め。絢は鞠佳以外にも人間関係を広げる為、クラスに馴染んでいく事を鞠佳に促される。
お互いがお互いを大切に想うが故に。今のままではまだ不十分だから、だからこそお互いに出来る事を始める二人。
そんな最中、鞠佳に接近する影が一つ。それはバイト先での同僚、そして絢の中学時代の因縁の相手である冴。
しかし、冴により命の危機に晒されようとも。鞠佳は毅然と己の意志を叩きつけ、絢と冴の間にある断崖絶壁を埋めてしまおうと強引にでも二人を引っ張り巻き込んでいく。
「別に仲直りしろなんて言わないよ」
昔と同じようには戻れないかもしれない。だけどそれでも、新しい絆の形なら歪だとしても結べるかもしれないから、と。
ここまで読んでいただけた画面の前の読者の皆様なら分かっていただけただろうか。その通り、今巻は絢によって調教され作り替えられた鞠佳が絢を変え成長させていく、鞠佳が大活躍な巻なのである。
そんな鞠佳に負けじと、絢もまた今度はアブノーマルな方向への調教を炸裂させていく。
ある時には多目的トイレで、羞恥攻めをしてみたり。
またある時には二人だけで泊まったホテルで、鞠佳を拘束して未体験の快楽を刻み込んでみたり。
確かに二人の関係は完成したけれど。まだ成長できないと決まったわけではないから。寧ろまだまだ変わっていけるから。
前巻にも増してドロドロのぐちゃぐちゃ、粘性の高いプレイが繰り広げられ。その中で時にぶつかり合いながら互いに成長させ合う、ガールズラブコメだからの百合な甘さが更に熱く激しくなる今巻。
前巻を楽しまれた読者様は是非。まだ未読の読者様はぜひ前巻と合わせて。
きっと心から満足できるはずである。