突然ではあるが画面の前の読者の皆様、今流行り、オリンピックの競技に加わるかもしれないと話題のeスポーツについて何処までご存じであろうか。因みに私はそこまで詳しくは知らないが、何か大きなお金が動くらしいというのは知っている。
そう、eスポーツである。大きな大会にもなると賞金額が物凄い、命を賭ける者達の戦いがコンマ何秒を争う世界の戦いである。そんなまさに今知られ始めたばかりのこのスポーツの舞台に、新たなプレーヤーとして駆け上がってきたのがこの作品の主人公である新人プロゲーマー、瞬(表紙左)である。
しかし彼は悩んでいた、何とかしてゲームで自立したいと。それもある意味当然かもしれない。何故なら、eスポーツの世界はそれだけで生きていける人はそんなに多くないのである。
一日の大半を練習に費やし、それでも頂点に立てるのは一握り。そこは敗者は容赦なく切り捨てられる弱肉強食の潰し合いの世界。故にこそ、明確なルールは今から創るからこそ存在せず、裏の潰し合いもまた日常茶飯事。
そんな世界で瞬の癒しとなり、共に高め合うパートナーとなるのがこの作品のヒロインである天才子役なアマチュアゲーマー、梨那(表紙右)である。
コンビを組んでリーグに挑む事となり、全くの初心者でありながらも才能の原石である梨那へと指導する事になり、戸惑いながらも指導に当たる事になる瞬。
同時に梨那は、何処か周りと馴染めずにいる瞬へと周りに馴染む為のトークを教えていく事になる。
お互いが師匠であり、お互いが弟子。そんな二人が遭遇していくのは卑劣な策と周囲の偏見による白眼視。
勝つためには何でもする、盤外戦術を次々としかけてくるライバルがいる。
所詮ゲームだと言い、そんなものは辞めてしまえという大人がいる。
だけど、負けたくはない。輝いていたい。そしてこの世界が大好きなのである。
師匠がいるからその背中を追える。そして背中を追ってきてくれる弟子がいるからこそ、限界を超えて成長し次のステージへと進めるから。
「梨那はトップにはなれないって言ってるだろ。俺が世界一になるんだからな!」
一歩扉を開いて見えた、次の世界への扉。そして隣にいるのは弟子であり将来の好敵手。
この作品はeスポーツを真正面から描いた作品であり、一般人には想像も及ばぬ高次元でぶつかり合う熱さとぶつかり合って高め合って成長し合う眩しさに満ちた作品なのである。
ゲームが好きな読者様、フレッシュな熱さに満ちた作品が読みたい読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。