読書感想:勇者は魔王の門番人 ~ブラックな勇者業辞めて、ホワイトな魔王の下で働きます~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様の中でブラック企業にお勤めな方はおられるだろうか。自分が当てはまるという方は隙を見て退職いたしましょう。大丈夫、探せば仕事なんて幾らでもありますから。

 

前振りはここまでにして、勇者と聞くと画面の前の読者の皆様はどんな存在を思い浮かべるだろうか。英雄的な存在だろうか。それともゲームでよく見るという感じの存在だろうか。

 

もし後者であるなら、少し想像してみていただきたい。勇者とは職業的にはよく考えるとブラックな方の職業にならないだろうか?

 

そんな例に漏れず、とある魔王城へと辿り着いた勇者(表紙左)一行。しかし、そこで見たのは人間側の国に比べて段違いに発展している魔族の国と、諸悪の根源的な血も涙もない人物ではなく、話せば分かる、ともすれば国王よりも理知的でいい上司な一人の魔王である少女(表紙右)。

 

そんな彼女は問いかける。勇者よ、私に仕えぬかと。勇者は答えた。はい喜んで、と。

 

そこから始まるのは人類の味方ではなく魔王の味方としての毎日。魔王城の門番として襲い来る冒険者達をシバき倒す、刺激と平穏に満ちた毎日。

 

そんな日々の中で驚かされる魔族の文明。人の世界では見た事もない数々の道具達。

 

歯ブラシすらないとはどうなってんだ、とツッコミたい読者の皆様はどうかこらえていただきたい。この程度はまだ序の口、いっそ呆れて笑える程に文明差が凄まじいのである。

 

そう、粗筋にも書いてあるがこの作品はコメディである。ラブが特に絡まない、コメディに全力を注いだ作品である。

 

だからこそ、頭を空っぽにして読むにはちょうどいい作品であるかもしれない作品であり、そういう楽しみ方がピッタリな作品である。

 

「勘弁してくれ!!」

 

勇者の心から出てきたその叫びに共感するかしないかはあなた次第。だけど恐らく間違いないのは、そう叫びたくなるかもしれないほどに笑いがこれでもかと盛り込まれている、という事なのである。

 

時には何も考えず読んだっていいじゃないか、それがライトノベルの本質の一つなんだから。

 

何かに疲れて笑いたい読者様、心の澱を吹き飛ばしたい読者様には読んでみてほしい。きっと笑えて満足できるはずである。

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