読書感想:転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます

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突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方は何かに憧れた経験というものはあるだろうか。何かに憧れ、同じようなものを掴みたいと思った経験はあられるだろうか。

 

さて、世の中に生まれた時の生まれは選べないのは何処の世界でも同じなのかもしれない。そんな生まれのガチャで大当たりを引き当ててしまったのがこの作品の主人公であるロイド(表紙中央)である。

 

とある王国の第七王子、つまりはほぼ間違いなく王位は巡ってこないであろう気ままな立場。王と言う権力はつかめないけれど他には何でもなれる。そんな気ままな立場についた彼には魅了されているものがあった。

 

それこそが魔法。彼はかつての自分の人生が終わる原因となった魔法に憧れそれを極めたいと願っていたのである。

 

剣の達人のお付きのメイド、シルファ(表紙左)の剣の修練を受けたりしつつも願いを叶えたいと城の地下、そこで出会ったのは本に封印された悪魔、グリモワール。ロイドの身体を奪おうと襲い掛かるグリモワール

 

しかし、その出会いこそロイドにとっては福音であり、グリモワールに取っては災難の始まりだったのである。

 

ロイドからすれば様々な知識を知っている、いざという時には身代わりとなってくれる頼れる使い魔。

 

しかしグリモワールからすればそもそも出会いからして最悪で、薄皮一枚しか支配できず、更には人使い(?)が荒すぎる厄介なご主人様。

 

画面の前の読者の皆様ももうお気づきであるだろう。そう、このロイドという主人公、可能性と才能に溢れた化物みたいな子であり、自分の興味のあるもの以外は特に気にしない、色々な意味で嵐を巻き起こせる子だったのだ。

 

「そういうのもっと楽しんでやった方がいいよ」

 

幼子故の無邪気か、それとも興味以外には用がない転生したからこその無垢さ故か。

 

才能だけでは生きてはいけぬ、努力こそが重要である。そして努力を楽しんで行える者こそが最強である。

 

それを全くその通りに、興味と探求心のままに何処までも突っ走れるからこそ彼は最強であり、これから先の可能性に溢れているのである。

 

ロイドに注目する者、冒険者の知り合い、タオ(表紙右)を始めとして何かを目論む者。そして振り回され何だかんだ良い相棒となっていく悪魔。

 

そんな愉快な仲間達に囲まれながら興味のままに駆け抜ける。笑いに満ちたゆるくも眩しい成長譚が見所な作品である。

 

ゆるくファンタジーを楽しみたい読者様には是非お勧めしたい。きっと満足できるはずである。

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