読書感想:特上カルビ無双

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人類皆肉が好き。そう言ってしまうと過言であるかもしれないし画面の前の読者の皆様の中には肉が嫌いという読者様もおられるかもしれない。しかし恐らく、大半の読者の皆様は肉が好きである筈と信じる。肉は身体を作るうえで必須の贖罪もとい食材である。(以上、前振り終わり)

 

さて、この作品の題名は特上カルビ無双である。この時点でどういう事なの、とツッコミを入れたくなるかもしれないがこらえてほしい。

 

それではこの作品はいったいどういう作品なのであろうか。それは魔物の侵攻を受ける神聖ベジタリア王国(ツッコミポイントその2)で人類最強クラスの傭兵である主人公、アルヴィンが竜種すらも一撃で葬り去る謎の女戦士、ミーティア(表紙)に出会い振り回される作品と言えば大体あっている筈である。

 

強くなる秘訣、それは単に肉を食らうという事。誰しもが持ち合わせる筈の肉を食らう事で目覚める才があれば、どんな強敵をも倒せる。

 

それは貴方だけではないかとツッコミたくなること請け合いな謎の理屈にツッコミを入れるも、彼の憧れのエルフの姫、キャロルが謎の感化を受けて変人になってしまって振り回されたり。

 

ミノタウロスだから美濃囲いで攻めてくる、謎の理屈が現実となり一刀両断するミーティアに啞然となったり。

 

捕らわれの姫の救出という定番イベント、邪神というラスボスとの激突という定番のイベント。これだけ見れば王道のファンタジーであるのかもしれない。だけどここにボケとツッコミの漫才と肉という食材をぶち込んでしまったのがこの作品であり、いい意味で若干狂気の段階に足を踏み込んでいると言ってもいいのかもしれない。

 

レーベルは違うが、某ざるそば、又は某スコップ無双と言えば分かっていただけるだろうか。あそこまでではないにせよ、軽く狂気である。

 

そして、その狂気をギャグとド派手な戦いに混ぜこれでもかと読者へと叩きつけ、ご意見無用と言わんばかりにまるで某アトラクションのように一度走り出したらトップスピードで駆け抜けていく。それこそついていけなくても知らんと言わんばかりに。

 

だが、確かなことは一つある。それはこの作品の中に出てくるあらゆる種類の肉が美味しそうという事であり、肉こそがこの作品にノリノリの勢いの力を与えているという事である。

 

「思い出せ、あの特上カルビの味を!」

 

その一言が確かに力となり、強大な敵を打ち倒す力となるのである。

 

勢い任せで突っ走りたい読者様、何も考えず笑いたい読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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