読書感想:Sランク冒険者である俺の娘たちは重度のファザコンでした1

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問:同じオーバーラップ文庫で同じようにファザコンを題名に冠する作品がなかったか?

 

答:確かにあった記憶はあるが私は読んでいないので各自で読んでいただきたい。

 

さて妙な前振りはこの辺りにして、ファザコンである。まごう事無きファザコンである。父親に愛を真っ向から囁いたり、一緒にお風呂に入ったりしてしまう程度にはファザコンである。しかし合法である、何故か。

 

その答えは、この作品の主人公である三十五歳中年(しかし見た目は設定上は二十代)のカイゼル、そして彼の娘である三姉妹、エルザ(長女。表紙)、アンナ(次女)。メリル(三女)の血が繋がっていないからである。

 

そんなことになったのは何故か。それは十八年前、将来を渇望される程に有能だった最強一歩手前までいっていた冒険者時代のカイゼルが、依頼中にエンシェントドラゴンを目覚めさせてしまい、その為一つの村が崩壊し生き残りである彼女達を引き取ったからである。

 

それから十八年。三姉妹は、エルザは最強の冒険者として騎士団長へ。アンナは王都のギルドマスターへ異例の速さで。メリルは王都の魔法学院で天才魔法技師に。

 

それぞれの場所でそれぞれの可能性を開花させていた彼女達から一緒に暮らそうと呼ばれ、王都へとカイゼルが引っ越す事よりこの作品は幕を開ける。

 

王都に引っ越し娘達と同居する事になったカイゼルの日常は驚きと刺激の連続ばかり。

 

エルザと騎士団の訓練についていったと思ったら騎士達に慕われ挙句姫様に目を付けられ、アンナの手伝いをしたらその実力で王都ギルドの注目の的となり、メリルの元に顔を出したら学院の教師に就任したり。

 

休む間もなく慌ただしくも忙しい、だけど辛くなんてない、何故なら愛する娘たちがいるから。

 

そんな娘達に女として迫られ肝を冷やしたり、時に成長を実感し涙ぐんだり。

 

そう、この作品は慌ただしく騒がしくも楽しい日常を家族で過ごすホームドラマのような作品であり、最強の父と娘の家族愛の作品なのでもある。

 

ブコメを前に出されても家族の絆があるから微笑ましく、そして家族愛が既に定まっているからこそ王道な面白さがあるのがこの作品なのであろう。

 

ファンタジー世界の家族愛、この言葉に惹かれたまたはピンときた読者様はページを開いてみると良いかもしれない。きっと、彼と彼女達の騒がしい日常と家族の絆は心に何かを齎してくれるはずである。

 

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