読書感想:転生したら、修羅場でした。 前世から待ち焦がれていた最強の元カノたちとの同居生活

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方は百万回生きた猫という絵本をご存じであろうか。詳細は各自検索していただくとして、転生という題材をどう思われるだろうか。転生するという事は全く違う人生を過ごすという事。ではもし何回も転生する作品を読んだ事があられるならその作品では何回転生していたであろうか。

 

君の名は。あの名作の主題歌であるRADWINPSの曲といえば前前前世。この言葉だけで言うならば三回の転生を経ている事になるのは明白である。しかし、この作品の主人公は前が更に一個多く、前々々々世まで経験しているのである。

 

そんな奇特な経験をしながらも全ての記憶を忘却し、商人の下働きとして貧乏ながらも生き抜いてきた主人公、アレン(表紙中央)。彼の中には四つもの英雄の魂が眠っているのである。

 

そして、各前世においてその時代のアレンの隣に侍り彼と再び出会うことを渇望していた者達こそ、最強の元カノ達である。

 

最初の前世、英雄の義理の娘として共に駆け抜けたハーシィ(表紙右)。

 

次の前世、英雄の剣として強大なる敵へと立ち向かったクローネ(表紙右上)。

 

三つ目の前世、英雄の従者として歴史を奪う者を共に封印したシール―(表紙左)。

 

四つ目の前世、英雄の義理の妹として空の彼方から来る災厄と戦ったエンネア(表紙左上)。

 

彼女達の誰もが、永き時の果てから彼の事を待っていた。だからこそ、彼に焦がれるお互いの気持ちはよく分かる。しかしだからこそ、彼の事だけは絶対に譲れない。

 

だから時に本気でぶつかりあって、でも誰かが危機に陥った時は助ける為に力を合わせたり。

 

ただのライバル、それだけではなく言わばちょっとした同士のような存在。故に分かり敢えてじゃれあえる。

 

そんな彼女達と世界を救う為にラブコメしろと女神さまに言われ、振り回されるアレン。

 

しかし、彼もまた英雄の魂を受け止めるにふさわしき人間であり、その奥底に眠る高潔な魂はあの日と同じだったから。

 

「僕が、決着をつける」

 

だからこそ、誰かの為に立ち上がれるからこそ、英雄としての力の一端を見せつけただけでも格好いいのかもしれない。

 

この作品は言うなれば、ドタバタわちゃわちゃとした賑やかなラブコメであり振り回されながらも少年が成長していく、爽快感のある戦いが見所のファンタジーである。

 

ファンタジー好きな読者様には是非読んでもらいたい。きっと満足できるはずである。

 

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