読書感想:俺の女友達が最高に可愛い。2

f:id:yuukimasiro:20200609224942j:plain

 

前巻感想はこちらから↓

yuukimasiro.hatenablog.com

 

「好き」は何処から「好き」なのだろう。好きという気持ちの違いは何処から来るのだろう。

 

さて、前巻で女友達という恋人ではない関係を選んだカイとジュン。一見するとこれ以上ない程に鉄壁で安定した関係に落ち着いた二人はどうするのか。

 

今巻の主役はどちらかといえばジュンに非ず。今巻の主役はカイのバイト先の後輩、琴吹である。

 

前巻のエピローグでとんでもない爆弾をぶち込んでくれた彼女が、付き合ってほしいと貴方が欲しいとカイに迫る。そのぐいぐい来る攻めに翻弄されてしまうのが今巻のカイの主な役目である。

 

そう、「好き」なのである。しかしその「好き」は、カイにとって未知の好きなのである。

 

そもそも前巻でカイは恋人で出来る事は友達でもできる、だったら友達でいいじゃないかと選んでしまっている。そう、出来るのである、出来てしまうのである。だからこそその「好き」はカイには分からないのである。

 

そして同時に、琴吹にとっても「未知」であるのがカイとジュンの「親友」という関係性なのだ。

 

琴吹から見てみれば、この二人はどう見ても恋人同士である。それが間違いない程にいちゃいちゃしている。しかしこの二人は親友なのである。一体全体、どういう事なのだと戸惑い混乱してしまう。その心のままにジュンに詰め寄ってみても、まるで懸命に吠えるチワワが手玉に取られ可愛がられるかのように、愛でられてしまう。

 

だけど、それでもと。陰キャなりの勇気を出して一生懸命に健気にアプローチする琴吹。そんな彼女とのデートは心地よくて楽しいもので。

 

それも当然であろう。何故なら、カイとジュンが噛み合うかのようにカイと琴吹もぴったり噛み合うかのように趣味も息も合うからである。

 

「なので、友達から始めませんか?」

 

今巻は言うなれば、カイと琴吹が知らなかった未知を体験する巻であり、少しだけ成長した二人が友達の輪を広げる、女友達の輪が広がりこの作品特有の面白さが更に深みを増す巻である。

 

少しだけ広がる人間関係は、確かな変化の香りを運んでくる。カイの心に生まれた微かな変化は何を齎すのだろうか。これからも楽しみにしたい。

 

https://www.amazon.co.jp/dp/product/4815605645/ref=as_li_tf_tl?camp=247&creative=1211&creativeASIN=4815605645&ie=UTF8&linkCode=as2&tag=bookmeter_book_middle_detail_pc_login-22