前巻感想はこちらから↓
スパイはいつだって嘘の仮面の中に素顔を隠しているもの。さぁ、今度も画面の前の読者の皆様、貴方達は騙されるだろうか。
さて、新人賞受賞作とは思えないほどの圧倒的なレベルの高さと繊細な伏線によるトリックを見せつけてくれたこの作品。果たして二巻ではどんな展開を見せつけてくれるというのか。
今回の敵、それは「屍」と名付けられた不可能任務にまで分類されるほどの圧倒的な力を持つ暗殺者。姿の見えぬ敵から護衛対象を守る為、そして暗殺者を制圧するために始まる新たな任務。その任務に挑むは、クラウス及び選抜された四人の少女。
そう、四人の少女である。選抜するのである、現時点での最強である四人を。
選抜され、護衛対象を守る為屋敷へと潜入、メイドとして振る舞う彼女達。クラウス及び他の四人のバックアップを受けながら、潜入している謎の敵を探すのが彼女達の任務。
だがしかし、今巻はここにスパイとしての嘘が仕組まれている。確かに彼女達は信頼され選抜されていた。だけどそれは、信頼しているからこそ命じられた別の任務だったのである。
そして、今回のメインを張るのは包容力のある女スパイ、「愛娘」のグレーテである。
変装を得意とする彼女が心のうちに隠していた本心とは何か。「愛娘」、このコードネームが意味するものとは何か。
それを想像しながら読んでみてほしい、そしてとある挿絵から仕込まれた伏線が全てを繋ぎ覆す、その様に挑んでみてほしい。見破れるか騙されるか、貴方はどちらだろうか。
「グレーテ、お前は美しい」
只一つ、欲しかったのはその言葉。だからこそ愛娘として振る舞いクラウスを支える、彼女の献身を見届けてみてほしい。
さぁ、再び彼等との知恵比べに挑みたい読者様は是非。今巻は一巻にも増して手強い、かもしれない。