前巻感想はこちらから↓
さて、前巻で私個人的には見逃せぬ輝きを見せつけてくれたこの作品、今巻は一体どんな輝きを見せてくれるのだろうか。
前巻は魅力的な登場人物の顔見せ、及び世界観の説明という事もあり城主同士の攻防等熱い戦いを見せてくれたわけであるが、今巻は資産ではなく迷宮という側面から古城という存在を描いており、古城と言う迷宮の中での激しい戦いと探索が絵描かれている、ダンジョン攻略ものという前巻では描かれてこなかった側面を描いている。
そして、今巻のメインヒロインは表紙でも描かれている通り、オリヴィアである。そして新たな曲者として現れ場を好きなだけ引っ掻き回していくのが新たな登場人物であるアリスティアである。
そう、彼女の愛とはオリヴィアがレオンに向ける愛、そしてアリスティアが彼女に向ける愛という意味であるのだろう。
愛するからこそ奪いたい、傷つけたいと歪んだ愛を抱くアリスティア。
その想いに気付かず、レオンとの交流を深め、共に並び立つべく道を見定めるオリヴィア。
二つの愛が交錯する中、同じ力でレオンとアリスティアがぶつかり合う。ここが今巻の熱いポイントであり、見所の一つである。
「僕にキミを、守らせてほしい」
「お断りします」
そして、この一瞬だけでも並び立ち、共に戦いの中を駆け抜ける。そんなレオンとオリヴィアの共闘こそが大きな見所であるはずである。
総じて言うならば、作品を大きく広げ本格的な始まりを告げるという意味で完璧と言える巻である。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと満足できるはずである。