読書感想:クソザコヒロインあかりちゃんは見つけてほしい

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突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方にはSNSの上においてでの承認欲求はあられるであろうか。

 

因みに私は人並みかは知らないが多少はある。私の感想や書評に何方かが反応してくださったという通知を見るたびに少し心が嬉しくなる。

 

さて、この作品のヒロインであるあかり(表紙)はそんな自己承認欲求の塊みたいなヒロインである。自分を見てほしいからこそ、どんな事にでも手を出すし何処までだって一生懸命になれる。

 

が、しかし。それで必ずしも有名になれる訳ではないのがSNSの辛い部分であり、ネット上でのモラルが問われる部分である。

 

その部分から考えると、彼女はモラルをどんどんと犯していると言っても過言ではないのかもしれない。

 

そしてネットで一番怖い者とは何だか分かるだろうか。諸説色々あるかもしれないが、長々と尾を引き面倒くさい事になるという意味では、炎上である筈である。

 

燃えるわ燃える、怒涛の勢いで燃え盛る彼女。結局暴走し自爆し、凍結されるわ炎上するわの蜂の巣をつついたような大騒ぎになる。

 

そんな彼女と同居する事となり、お世話に奔走する事になるのがこの作品の主人公である影二である。とある事情から過去の傷を抱えながら振り回され溜息をつく彼。

 

その先にふとした事で判明する、彼女の行動の真意。そして過去の傷の真実。

 

そう、彼女は見つけてほしかったのだ。誰に? それは言うまでもないだろう。これは彼女と彼のお話なのだから。

 

「会いたかった、ずっと探してた、見つけてほしかった」

 

涙と共に溢れ出るのは歓喜の言葉。百のいいねより欲しかったのはただ一つのいいね。

 

全体的にアップテンポで七転八倒しながら駆け抜ける中に、再会系のきらりと光る感情が眩いこの作品。

 

また一つ生まれた、奥深く正面から面白いラブコメを読みたい読者様にはお勧めしたい。きっと満足していただける筈である。

 

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