読書感想:隣の女のおかげでいつの間にか大学生活が楽しくなっていた

f:id:yuukimasiro:20200228225444j:plain

 

突然ではあるが画面の前の読者の皆様、その中で大学生である読者様がいればお聞きしたいが貴方の大学生活はバラ色だろうか。もしそうなら全力で〇〇〇が。今から大学生になっていくという読者様、大学生って恐らく貴方が考えているほどキラキラしていないと思われるので悪しからず。

 

それぞれ授業の受け方が違う講義、自分だけの時間が取れる一人暮らし、分野によっては辛い事もある専門的な講義。大学生というフィルターの内側を覗いてみると、そんな感じである。そしてこの作品の主人公、健斗とヒロインである奈月は大学三年生の21歳である。それは大学生活という場においてはどんな位置取りとなるのか。

 

はっきり言ってしまえば、大学三年生というのは大体の場合において大学生活後半戦の入り口を過ぎ、専門的な講義も徐々に始まり、本格的に卒業後の進路というものが忍び寄ってくる頃である。

 

そして健斗のように大学生活で一人で過ごす生徒は希少価値はない。寧ろ一定数いるのが現状と言っても差し支えない筈である。

 

そんな彼とヒロインである奈月が出会った。これはどういう意味を持つのか。

 

この出会いは一種の必然と言っても過言ではないのかもしれない。何故なら二人は似た者同士だから。心に傷を抱えた者同士だから。

 

お互いに見たくないものを見てきた。だけど、だからこそ。演技をしなくていいから。自然体で関わる事が出来るのだ。

 

「優しくしてくれてありがとう」

 

本当の優しさの定義というものを彼の中に見た奈月の心からの感謝。

 

「ありがとう、奈月。一緒にいてくれて」

 

彼女に出会って確かに救われた健斗の、決意混じりの感謝。

 

この二つのフレーズに全てが集約される。

 

そう、これは出会いと歩み寄りのラブコメディー。不思議な力も何もなく、非日常が唐突に巻き起こったりもしない、だからこそ等身大のくすぐったい甘さがあるラブコメなのである。

 

等身大のラブコメが好きな読者様、大学生活を覗いてみたい読者様は是非。不器用な二人が少しずつ距離を詰め合ういじらしさに萌えていただきたい。

 

https://www.amazon.co.jp/dp/4041091667/?tag=a8-affi-287285-22&a8=mzM-4zpjlh9_pqvPvgVvzM9U9iXbJi2P6gVTpqVq9T0jlhM9QhDhDhtZOiYAtA2VOTSiPFM3OzM-Is00000009884001