まずは一言。アンタら小学生なんか!?(ツッコミ一回目)
・・・失礼しました、ついツッコミが。
さて、この作品のヒロインである小鳥遊さん(表紙)。彼女は女子校育ちであり、今まで周りの人の善意により性的なお話から引き離されて育ってきた言わば超純粋培養であり、勿論今まで誰かとお付き合いした経験がない。
そして主人公である直春。彼は今まで誰かに告白すれど良い人止まりであり、お付き合いを経験したことがない。
そんな二人が疑似恋人となりまず何をするのか。手を繋ぐという事である。
小学生かっ!!(ツッコミ二回目)
信じられないかもしれないが真面目にそこから始める。そしてまずはお互いを名前で呼び、猫カフェに出向き、大人の恋愛小説を解説してみたりする。
アンタ達本当に社会人か!?(ツッコミ三回目)
信じられないがそんなとても大人とは思えないいちゃいちゃを繰り広げている。
が、何故かそのいちゃつきの緻密なまでの描写が心に突き刺さるのは何故か。
それはやはりこの二人がお互いに恋愛未経験であり、同時にお互いがお互いを心から受け止められる存在だからであろう。彼にだから甘えられる、彼女にだから弱い部分を見せられる。だからこそふとした瞬間に目を奪われ、どんどん互いに惹かれ合っていくのは自明の理であるのであろう。
着実に近づいていく距離、そして着実に一段飛ばしの勢いで甘々になっていく二人の関係。そういう尊いラブコメを読みたい読者様には是非読んでいただきたい。
これは社会人ラブコメではない。その皮を被ったはじめて同士の遅れてきた瑞々しくて甘い青春の物語である。