読書感想:スパイ教室01 《花園》のリリィ

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https://www.amazon.co.jp/dp/4040734807/?tag=a8-affi-287285-22&a8=RJ48fJ1ypS5M1IwNw3EwJ45750kKh0UNP3Et1IEI5tdypS45qu45guUcE0.DlDUEgtm0Na4GgJ48Hs00000009884001

 

突然ではあるが一つお聞きしたい。画面の前の貴方にとってスパイと言えば誰をイメージしどんな仕事をイメージするだろうか。

 

007? それともミッションインポッシブルシリーズ?

 

何れも押しも押されぬ名作であるが、その映画の中、画面の中で躍動し画面も世界も所狭しと彼等は大活躍していたはずである。

 

そんなスパイ達が奪われた兵器を取り戻すために大活躍するのがこの作品なのである。

 

集められたのは実践経験のないスパイ見習どころかそのレベルにも達していないとまで言えそうな落ちこぼれの少女達。

そんな彼女達を待ち構えていたのは世界最強、不可能無しの最強スパイの青年と

 

・七人で協力して生活すること。

・外出時は本気で遊ぶこと。

こんな明文を始めとした一見すると意味不明なルールの数々。

 

ここで面白いのは、最強スパイの青年、クラウスもまた教師としては見習、どころか天才過ぎて教える事に向かない落ちこぼれと言う事である。天才過ぎて普通が分からぬ、だから教えられぬ。ではそんな彼が導き出した究極の指導法とは。

 

それは、全員で協力して自分を倒す事。

 

片や実践経験のない少女達、片や全てを知り尽くした最強のスパイ。既に勝敗は明白。

 

だがしかし、究極の実践演習で彼女達は急激に成長していく。あれこれ手を変え品を変え、殺す為にあらゆる手練手管を尽くす。

 

その成果が発揮されているのが任務の目標、施設に潜入するまでで既に表れている。

 

一人が意見を言えば二人が反論し、三人が修正案を出し、四人が喧嘩する。

その理由とは、「それは先生に通用しなかった」から。

最強のスパイに通用しないのならば意味はない、先生を騙せる作戦を。

 

そんな完璧な作戦の元に潜入した研究施設。そこで待っていたのは最悪の人物の裏切り、そして全てが覆る最初から仕組まれていた罠。

 

だけど、その絶体絶命の状況はある事から一瞬で覆され驚愕の景色が訪れる。

 

その仕込みは何処から? それは・・・最初に読者に刷り込まれたルールから。

 

彼女達に騙されたいという読者様は是非。全てを覆され思わず舌を巻き絶句する、見事な仕込みからのどんでん返しを味わえる筈である。