読書感想:ひきこまり吸血姫の悶々

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https://www.amazon.co.jp/dp/4815604657/?tag=a8-affi-287285-22&a8=qa3JGau-EUPguXScSCHSa3P5PrDl2r9c.CHRuXHXPRQ-EU3PZs94KU3-frDyVy9HdR7rcW3nda3Jks00000009884001

 

ただのひきこもりに非ず、彼女はひきこまり。

 

血が苦手な吸血鬼と聞くとそれだけで弱弱に見えるのは私だけか。

そんな彼女がいきなりステーキもかくやの勢いで実力者揃いの将軍の一角に大抜擢。しかも部下として配属されたのは犬面殺人鬼、幼女趣味の犯罪者にラッパーテロリストといったいけないクスリでもキメてんじゃなかろうかというヤバい奴等。

 

更に彼女の脇に侍るはコマリ大好き変態メイド。

 

だけど、曲者揃いで気が抜けなくて、そんなだけど頼りになる馬鹿な仲間達が彼女の力となり背中を支える部下となる。

 

このテラコマリという少女、自己評価は低く某幼女少佐並みにどうしてこうなったと溜息吐いていたりするけど、仲間思いで部下思いな面が要所要所に見えるのも凄いところであるが何よりも大切なもの、小さな勇気を持っていることが一番評価できるポイントである。

終盤にかけて自らにトラウマを刻んだ相手に自分のメイドを攫われ、それでも勇気を持って相手の前に立ち

「これ以上引きこもってるわけには、いかないから! だから来たんだ! 私は弱い、そんなこと十分に知ってるよ! でもやらなきゃいけないんだ! 私のことを思ってくれる人たちのために、頑張らなくちゃって、思ったから!」

と啖呵を切って見せる。これぞ正に主人公と言えるのではないか。

 

そんな彼女が宿しているのは心の在り方が生み出した絶対無敵の力。

 

どうか読者の皆様、仲間を得てトラウマを越え自らを変革させ一歩踏み出して見せる、完璧でないからこそ最高の一人の少女の姿を見届けてみてほしい。

 

読み終えた時、部下に混じってコマリンコール上げて肩組んで盛り上がりたくなること請け合いである。