読書感想:ワトソン・ザ・リッパー ~さる名探偵の助手の誰にも話せない過去~

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突然だが画面の前の皆様は名探偵と聞くと誰を連想するだろうか。

 

名探偵コナン

名探偵ピカチュウ

金田一少年の事件簿

 

では名探偵の先がけと言えるかの名探偵、シャーロック・ホームズを連想される読者様はどれだけおられるだろうか。

そして、かの名探偵の頼れる相棒にして語り部、ワトソン博士の事を知っている方はどれほどおられるか。

シャーロック・ホームズが真実の友と呼び、犯人に傷つけられた時は「ワトソンを殺していたらお前を殺していた」(意訳)と怒りと共に宣言させ、もう一度彼と共に共同生活する為に経営していた医院を遠縁の親戚に自らがお金を出して買い取らせる程に大切にしていた彼。

 

だが、ここにいるのはあのホームズの物語の登場人物達ではない。全く違う、それこそ未知の人物像を持っている同じ名の登場人物達。それは何故か?

それはこの物語が、悪魔や機械が跋扈するファンタジー的な倫敦を舞台としているからであり、彼等を自分の庇護下に置いた彼女の思惑があるからである。

 

彼等が立ち向かうのは、かつて倫敦を賑わせ今も諸説溢れ様々な物語で描かれたかの殺人鬼、切り裂きジャック

どうか何も言わず読んでいただきたい。二転三転と状況がどんどん変わる中で霧の中から現れるたった一つの真実。それが伴う絶望に心抉られていただきたい。

 

総じて言うなれば、ミステリーや血生臭い異能バトルが好きな読者様には是非ともお勧めしたい物語である。