読書感想:進路希望調査に『主夫希望』と書いたら、担任のバツイチ子持ち教師に拾われた件

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は専業主婦という言葉に聞き覚えは、恐らくあるとの仮定の下で話を進めさせていただくが、「専業主夫」という言葉に聞き覚えはあられるであろうか。昨今の女性の社会進出が進み始めている世界で、女ではなく男が家庭を守る。そんな生き方を貴方はどう思われるであろうか。

 

 

とある高校に一人の少年がいた。彼の名前は巽健斗(表紙右)。容姿、成績共に平凡。強いて言うなれば料理と子守りが得意。そんな家庭的でヒーローではなくプリンセスと称されそうな彼は、学生にとって一番大事であろう進路希望調査に何と書いて出したのか。

 

その答えは、この作品の題名を見ればもう一目瞭然であろう。そう、彼は養ってくれる相手がいないにも関わらず、進路希望調査に「主夫」と書いて、回答したのである。

 

では、そんな彼を誰が拾うのか。

 

「そうか・・・・・・ならお前は私の旦那になるといい」

 

その彼の拾い主こそ、彼の高校での担任であるバツイチ、四歳の娘を一人で育てる男勝りの女性な遥香(表紙左)である。

 

唐突に婿になれと告げられ、遥香の家へと招かれ。そこで健斗は遥香の娘である千鶴と出会い。

 

知る事になるのは、遥香の私生活のズボラさ。その中に秘められた影。

 

「にしても・・・・・・温かいご飯は本当に久しぶりだな」

 

そんな事を思わず言ってしまう。そこに隠された秘密。

 

「大丈夫だよ。俺は千鶴ちゃんの前からいなくなったりしないから。だから・・・・・・安心して」

 

早朝、ご飯を作りに訪ねた遥香の家で、寝ぼけた千鶴が思わず漏らした言葉。

 

そこに隠されていたのは、あまりにも重い遥香の過去。自分の醜い独占欲が、最愛であったはずの夫を殺してしまったという背負いきれぬ自罰の重み。

 

「間違っていたことがあるならそれはきっと、神様が書いたシナリオが間違ってるんです!」

 

だが、健斗は。そんな彼女の曝け出された心の傷に触れ、優しく包み込まんとばかりに手を触れる。貴方は悪くない、間違っていないと。

 

「当たり前だ。死ぬまで離さないと約束するさ」

 

「健斗・・・・・・好きだぞ」

 

彼に心を救われた遥香は、今度は健斗が曝け出した心の傷、自分に付き続けた嘘の枷に触れ。まるで共に背負わんとするかのように手を差し出す。自分の前では素直になれ、お前は何も悪くないと。

 

お互いの何もかもをさらけ出し合って、そして全部を分け合って。まるで雪だるまのように、二人で一つになりながら人生と言う道を転がっていく。

 

この様を「夫婦」と言わずして何と呼べばよいのか。この純粋な愛に、例えば年の差のようなケチをつける事が誰に出来ると言うのか。

 

そう、この作品は少年が嫁と娘を得ていちゃいちゃする作品である。同時に、まるで神様のシナリオが引き合わせたかのように、よく似た痛みを抱えた二人が出会い、共に支え合い救い合うかのように夫婦になっていく作品なのである。

 

だからこそ、甘い。恋を飛び越え、愛。だからこそ、普通のラブコメよりもちょっと重くて、だけどその分純粋で甘いラブが展開されているのである。

 

人生的なラブコメが好きな読者様、家族が欲しい読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

進路希望調査に『主夫希望』と書いたら、担任のバツイチ子持ち教師に拾われた件 (ダッシュエックス文庫) | yui/サウスのサウス, なたーしゃ |本 | 通販 | Amazon

 

 

 

読書感想:君は彼方

 

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は誰かに伝えきれなくて後悔した言葉はあられるであろうか。誰かにこれだけは伝えたかった、そんな後悔は胸の中にあられるであろうか。

 

ではこの作品の感想を今から語っていかんとするが、その前に。この作品は今度映画館で公開されるらしい。そのノベライズ版と言ってもいい筈の作品である。なので実際に視覚で味わいたいと言う読者様は、無限列車の合間を潜り抜け、映画館に見に行ってもらいたい。まずは予習したい、ノベライズ版で十分と言う読者様は、是非この感想を読んでもらいたい次第である。

 

家系に伝わる霊能力を持て余し、幼少期のトラウマから誰も見捨てたくないと願う少年、新(表紙左)。 その幼馴染であり、努力せず何も期待せず、何となく生きている少女、澪(表紙右)。

 

「お前、ほんと無精だな」

 

「え、普通でしょ」

 

「どこが」

 

何も変わらぬ筈だった二人の時間。だが、その時間は唐突に終わりを告げる。澪の親友である円佳の新への想いの告白により。そして、言葉に出来ぬ思いを抱えた新と澪のすれ違いにより。

 

例え、どんな結果となろうとも受け止める。そんな決意をした澪はだがしかし、事故に遭って不思議な世界へと迷い込む。

 

空を電車が進み、ペンギンやクジラが空を泳ぐという不思議な世界、「世の境」。ここは生と死の狭間、あの世とこの世の境目であり死者の記憶で構成される、現世への未練を捨てる為の世界。

 

いつも澪の側にいるエイリアンのマスコット、ギーモンがガイドとして澪を導かんとし、謎の少女、菊ちゃんが澪を行かせまいとする。まだ彼女は、ここに来るべき人間ではないのだからと。

 

この世界から戻る為の条件。それは現世へ帰る為の電車の切符を手に入れ、そして帰りたいという「想い」、誰かに伝えたい想いを思い出すという事。

 

伝えたい想い、それは一体誰の為か、誰に対する想いか。欠け落ちていく記憶を必死に集めながら、ギーモンや菊ちゃん達と一緒に番人と戦いながら、必死に駆ける澪。

 

現世で、事故に遭って意識を失った澪を取り戻す為、自らの家に伝わる秘術を用いて、己の命の危険をも顧みず奔走する新。

 

現世と幽世、あの世とこの世。二つの世界を股にかけすれ違いながら、澪は弱い己に別れを告げようともがき、大切な事を思い出さんとする。

 

 「大丈夫。澪ならできるわ。自分を信じて」

 

ちゃんと伝えたい想いは、臆病で立ち止まっていた過去の自分を乗り越えた先に。大切なのは一人だけではない。だから皆に伝えたい。

 

「もう誰にも左右されない。私の運命は、私の人生は―――。―――自分自身で決める」

 

「では、おぬしが向かう世界はどこだ?」

 

「私は、私の生きる世界に向かうの」

 

もう何もかも諦めていたあの日の自分とは扉の前でおさらばし、もう一度戻りたい彼の元へ。

 

ちょっと不思議で、何処か切なくて。過去と未来が交錯する世界で、己の想いを見つめ直して一歩、踏み出し成長する。

 

そんな青くて瑞々しい、青春ファンタジーが読んでみたい読者様は是非読んでみてほしい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

君は彼方 (ファンタジア文庫) | 瀬名 快伸, 阿部 智之, はぁおん |本 | 通販 | Amazon

読書感想:殺したガールと他殺志願者

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。時に人は、今この瞬間が最高に幸せである、今この瞬間であれば死んでも良いという瞬間があると言う。ではその、一瞬かもしれないが人生のピークという時に、今死んでも悔いはないなんて口では言えるその時に、果たして貴方は本当に死にたいか。死んで悔いはないか。

 

何もする事が出来なくなって、あの時は良かったなんて言いながら死ぬか。それとも幸せの絶頂で、幸せに包まれたまま逝くか。貴方はどちらを選ぶだろうか。

 

特に趣味もない、しいて言えば読書が趣味な「架空」の少年、淀川水面(表紙左)。彼は死にたかった。死を求めていた。だが、彼は只死にたいわけではなかった。彼は「最愛の人に殺されて死にたい」という、破滅的な願望を抱いていた。

 

そんな彼は「死神」を名乗る少女、神連から一人の少女を紹介される。彼女の名前は浦見みぎり(表紙右)、十八歳、「実在」の少女。そして、「愛する人」を殺したいと願う少女である。

 

「その代わり、貴方は私に愛されてください。私にとって、最愛の人になってください」

 

互いの秘めたる願いをさらけ出し合い、みぎりは水面へ願う。いずれ最愛の人になってくれた時、私があなたを殺すから愛されろ、と。

 

 

そこから始まる、みぎりのやりたい事を叶えていく日々。

 

デートがしたいと願われて、水族館を選んだら彼女のトラウマに触れ。

 

季節外れの浴衣デートをしてみたり、何故か墓場で愛を誓ってみたり。

 

そんな何処か痛ましく歪な日々の中、二人は互いの過去と心の傷に触れていく。

 

みぎりは母親から虐待された過去を持ち、水が苦手だった。

 

そして水面は、「架空」の意味は。何処か壊れて歪の果てに出来上がってしまった心が生み出した、空虚な怪物。放っておいてもいつか必ず、終わりが来る。それはきっとあと数年以内に。崩壊は止められず堤防が崩壊したとき、そこで彼の全てが終わる。

 

「愛の無い攻撃なんか、全く感じないんだよ」

 

だが、それでも水面は愛されて殺される事を願った。死神と呼ばれた少女、禁断の愛に縛られた少女に殺されかけても。例えその愛という行為が、全ての終わりまでの猶予を早めるだけだとしても。

 

「殺さないから、我慢するから、一緒にいてください、お願いします」

 

「文字通り、人生を懸けた殺人です。貴方のせいで、私は人生を棒に振るんです。実質的な殺人ですよ」

 

だからこそ、水面とみぎりは向き合い新たな約束を結ぶ。それは、最後まで共にという約束。いつかの果て、共に死なんという約束。

 

普通に考えれば、何を馬鹿な事をと一蹴されるかもしれない。そんなことはやめろ、と誰かは諭すかもしれない。

 

 

だが、そこにあるのは確かに「愛」なのだ。歪でどこか壊れていても。行く先に待つのが二人の破滅だとしても。その共に手を取り合い、死の闇への道を一蓮托生で転がり落ちていくようなそれを、「愛」と呼ばずして何と呼ぶのか。

 

切なく痛く、だけど何処か温かく。

 

画面の前の読者の皆様、どうかこの作品を手に取って読んでみてほしい。死と命というものに関して考えてみてほしい。 貴方の答えを聞かせてほしい。

 

読んだ事の無いラブコメを読んでみたい読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

殺したガールと他殺志願者 (MF文庫J) | 森林 梢, はくり |本 | 通販 | Amazon

読書感想:このライトノベルがすごい! 2021

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さて、この本の感想を書いていく前に画面の前の読者の皆様。どうかこの感想を読む前に、実際に本を手に取った状態で読んでみてほしい。結果を知りたくないという読者様は遠慮なく今すぐブラウザバックをして、ランキングの情報を仕入れてから読んでいただきたい。

 

ではまず、今年の作品トップ10のランキングを見ていきたい。

 

一位 千歳くんはラムネ瓶のなか

二位 スパイ教室

三位 ようこそ実力至上主義の教室へ

四位 探偵はもう、死んでいる。

五位 継母の連れ子が元カノだった

六位 楽園ノイズ

七位 弱キャラ友崎くん

八位 カノジョの妹とキスをした。

九位 プロペラオペラ

十位 お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

 

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祝、チラムネこと千歳くんはラムネ瓶のなか一位獲得。いもキスこと彼女の妹とキスをした。八位獲得。

 

という訳で、このブログでも記事にいたした作品が次々とランキングの中に入っている次第である。私は何よりもそれが嬉しい。

 

上位十作品を見ていただけると分かるかもしれないが、上位十作品のうちラブコメ作品が5作品も入っている。そして、これ以降のランキングは画面の前の読者の皆様自身の目で観測していただきたいが、BEST40の顔触れを見ていただくと恐らくわかることがある。

 

それは、正に今年はラブコメの年であるという事。そして、毎年巻き起こるラブコメ軍対ファンタジー軍の戦争は、今年はラブコメ軍の圧倒的な勝利、という事である。

 

そも、ファンタジーというとやはり異世界もの、異世界転生ものが最近のトレンドであり、追放ものというジャンルも一つの人気である。が、しかし。今年のランキングを見ていただけると分かるが、追放ものは既に影も形もない。そして前年度の覇者であるななつまこと七つの魔剣が支配するは今年は十六位までその位置を落とし、前年度にランクインしていた賢勇者は二十四位から五十位までランクダウンしている。

 

だがその分、今年はラブコメが幅を利かせている。

 

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そして、32位にランクインした「結婚が前提のラブコメ」、19位にランクインした「現実でラブコメできないとだれが決めた?」のように、様々な形のラブコメが人気を博し、一口にラブコメと言っても言い表せぬ、多種多様なラブコメがランクインしているのが事実なのである。

 

 

では、来年のランキングは一体どうなるのだろうか? 個人的な考えをここから語らせていただくが、千歳くんはラムネ瓶のなか、結婚が前提のラブコメはここから益々展開が面白くなっていく事が匂わされており、来年も恐らくランクインするのではないかと感じる。その他の顔触れを見ても、声優ラジオのウラオモテシリーズや、カノジョの妹とキスをした。シリーズなどこれから先が期待されるシリーズが散見される為、この辺りの作品も展開次第では更にランクを上げてくるのではないだろうかと感じる。

 

また、昨今は幼馴染とのラブコメがラブコメ界における一つの主流となりつつあると思われる。そうなると、この先、このままラブコメ旋風が吹き荒れるならば幼馴染系の作品も来年はランクインしている姿が見られるのではないだろうか。

 

では、来年はファンタジー軍は巻き返しは成るのか。個人的な想像ではあるが、何か大人気を博するシリーズが登場しない限り厳しいのではないか、と思う次第である。今年のランキングを見ると、このすばシリーズやロクアカシリーズもランクインしているものの、ファンタジーの新顔は少ない。そう見ると、このままでは来年も厳しい戦いを強いられるのではないだろうか。

 

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私個人としては、この二つの作品には秘めた力を感じるので、来年は是非ランクインした姿を拝みたい。

 

また、今年は私もその一人である協力者の方々の一言と投票した作品を纏めたページが掲載されているので、そこを見ていただくとそれぞれの趣味が垣間見えると共に、ラノベ界の先頭を往くラノベ読み達のお勧めが見えるので、是非参考にしていただきたい。

 

まだまだ若者の土壌が存在すると判明した今年のランキング。来年はどうなるのであろうか。

 

このライトノベルがすごい! 2021 | 『このライトノベルがすごい!』編集部 |本 | 通販 | Amazon


 

読書感想:本能寺から始める信長との天下統一 4

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前巻感想はこちら↓

読書感想:本能寺から始める信長との天下統一 3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、今まで散々語ってきたがこの作品において、誰も知らぬ歴史はもう既に始まっている事は明白であり、ここまでこのシリーズを読まれてきた画面の前の読者の皆様であればそれはご存じであろう。そして今回、本当の意味で歴史の変更が確定となる。

 

では一体何が起きるのか。それは信長様による、日本国統一宣言である。本来の歴史であれば日本を統一したのは豊臣秀吉である。しかし、この作品の歴史で日本を統一したのは信長様であり、関東征伐も終わり最早敵なし、抵抗戦力なしかと思えば最後まで残っていた敵、島津家を滅ぼす為に信長様は戦争へ向かい、あっという間に片付けてしまう。ここまで本能寺の変から五年、真琴と信長様が出会ってから五年の出来事である。

 

そう、五年である。五年もあれば少年が大人になるのは十分な時間であり、幼女が少女になるのに十分な時間なのである。

 

それは一巻の口絵でちんまい姿を見せ、今表紙で円熟を迎えつつある姿を見せるお江を見れば明らかであろう。

 

そして、日本国統一宣言の前後を切っ掛けとして、二十歳を越え大人になった真琴に出世の時が訪れる。大納言昇進、そして常陸国、つまりは真琴の故郷であり未来で茨城と呼ばれる国の受領である。

 

そう、今は茨城が真琴の手の中に収まっている。かの国を発展させるも衰退させるも己次第。もう城持ちではない、国持ちである。大大名である。国の中、何をするにも自由であると共にその行動には、今までで一番の責任が伴うのである。

 

ではそんな未開の常陸の国で、我らが主人公である真琴は一体どんな政策を為すのか。まず初めに彼が始めたのは、自らの居城となる城の建設。更にその城は、左甚五郎等の後の有名な芸術家達を招いて創り出したのは、彼の趣味である萌えがふんだんに盛り込まれた、今の世の中から見ると混沌に過ぎやしないかと思われる城であった。

 

一体何を言っているのかと思われる画面の前の読者の皆様、どうか想像してみてほしい。もし巨大な美少女のフィギュアが如き彫刻が日本の城にあったら。想像していただければ私の言いたい事は分かっていただけるかもしれない。

 

だがしかし、彼は常陸の国の中で目にする。一見日本が統一され平和になったように見えて、まだまだ傷だらけであると。殺し殺され、誰かを喪った悲しみと憎しみが溢れていると。

 

人身売買、それもまた止めるべき唾棄すべき所業。だがしかし、それを行わなければ生きていけぬ者達がいる。誰も犠牲にしたくない、そんな願いだけでは現状は何も変えられぬ。

 

「統治って難しいよね」

 

彼方立てれば此方が立たぬ、何をするにしてもすぐには何も出来ぬ、気の遠くなるような年月を賭して、初めて可能となるのだから。

 

今まで描かれてきた一つの時代が確かに終わり、今本当の意味で新たな歴史は始まった。そして真琴は、今までとは違う戦いへと身を賭す。

 

このシリーズを楽しまれている読者様、新しい文化を作るのが好きな読者様にはお勧めしたい。

 

きっと満足できるはずである。

 

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読書感想:幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら2 怖かった幼馴染が可愛い

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前巻感想はこちら↓

読書感想:幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら 疎遠だった幼馴染が怖い - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて画面の前の読者の皆様、まずはこの作品の感想を読み始める前に今巻のサブタイトルを見てほしい。怖かった幼馴染が可愛い。表紙からして可愛い。前巻のツンデレの片鱗すら何処にもなく、可愛い。そして康貴と愛沙が二人きりの時間を過ごしているのはお分かりであろう。

 

が、しかし。この光景に辿り着くには二人だけでは足りなかった。そこに辿り着く為に必要だったのは、愛沙の妹であるまなみの手助け。そして、夏休みと言う特別な時間だったのである。

 

前巻は康貴と愛沙、二人が疎遠な幼馴染から普通の幼馴染同士に戻るまでだった。だけど、そこで止まってよいのか? 本当にあと一歩踏み込まなくて良いのか? そう問いかけてきたのは我らが妹、まなみである。

 

本当ならば自分が迫っても良かったはずなのに。彼女だったら十分にメインを張るだけの度量があり、彼の事を好きという心もあったのに。それでも、まなみは姉の背を押したのだ。誰よりも大切な姉に、幸せになってほしかったから。

 

そして、その後押しをしたのは夏休みと言う、今この瞬間しかない特別な時間である。

 

普通だったら、学校の人間とは疎遠になる。だけど、この二人は幼馴染同士である。そして、交流も復活した事により、互いの家同士の距離も縮まり、また家族同士の付き合いが始まる。

 

だからこそ。別の意味で余人を交えぬからこそ。誰にも邪魔されぬ時間を過ごせて、全部をさらけ出せる。そんな今しかない時間もまた、二人の背を押したのだ。

 

そうならば、もう必然であったのかもしれない。康貴と愛沙、二人がまたお互いに向き合い惹かれ合い始めるのは。

 

そう、あとは一歩を踏み出すだけだった。二人、同じ時間を過ごすたびに恋心は抑えきれなくなり、もう目を逸らす事は出来なくて。ならばもう、あとは踏み出すだけ。そして、柔らかな手による追い風が、二人の背中をどんと押す。

 

「康貴、ありがとね」

 

「こちらこそありがとう」

 

素直になって、お互いを見て。

 

「俺は多分、ずっと愛沙のことが好きだった」

 

「私も、ずっと・・・・・・康貴のことが好きでした」

 

諦めを越えて言葉を届けて。嬉し涙の流星一筋、はぐれてお互いを探していた二人の心は新たな絆で結ばれる。

 

康貴と愛沙、恋人同士となった二人。だけどその間にはまなみがいる。だけど、それで良いのかもしれない。三人そろって一つ、三角の頂点が一つ欠けては三角にならない。そして三人でいるのが、違った形で当たり前だから。きっとそれで良いのだ。

 

だが、ゴールに辿り着いてそこからが新たなスタートである。だから、まだお楽しみはきっとここから。

 

前巻を楽しまれた読者様、可愛い妹に癒されたい読者様、やっぱりラブコメが好きな読者様にはお勧めしたい。

 

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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読書感想:底辺領主の勘違い英雄譚 2 ~平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件~

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前巻感想はこちら↓

読書感想:底辺領主の勘違い英雄譚1 ~平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

さて、前巻の感想で私は生きて帰ってこれる保証はないが。という事を言ったが皆様覚えておいでであろうか。なぜこんな事を振り返ったのか。その答えは只一つ。それは今巻が前巻にも増してヤバく、更に生きて帰れる保証がないという次第だからである。

 

何処か某賢勇者に近いかもしれない、前巻の混沌。その混沌は弱まりもせず落ち着きもせず。一歩進むどころか、ロケットで飛び越えていくが如き所業である。

 

前回、王城に似せた漆黒の城を建城してしまったリゼ。彼は何の思いもなく、国王及び周辺貴族へ(失礼に過ぎる)正体の手紙を送り付ける。無論、周りの貴族は割と感性と考え方はまともであった。故に彼等は、身代わりとして自らや跡取りである長男坊を除く、力的にも立場的にも弱い次男坊、三男坊を送り込む。

 

が、しかし。それが間違いであった。それはリゼの浅慮を刺激するだけでしかなく、新たなる惨劇の幕開けであった。

 

巧みに貴族の子弟たちを扇動し、家や家族に対する不満や憎悪を吐き出させ掻き立て。更には元スネイルだった木から取れた樹液(龍の因子入り)を投与し、戦闘能力を強化し。

 

だがしかし、強化されてしまった子弟達により巻き起こされる惨劇も国王、ヤルダバートはどこ吹く風。それどころか狂喜乱舞して嬉々として、ベイバロン領への出兵を始める。

 

それもその筈。ヤルダバートに取ってリゼは百三十年の退屈な人生に彩を与えてくれた、初めての強敵である。リゼに負けず劣らずの狂人、それこそが彼だったのだ。

 

そんな二人が数百万もの人間を巻き込みながらぶつかり合えばどうなるか。もうお分かりであろう。そこに待つのは全世界を巻き込んだ惨劇。はた迷惑に過ぎる死闘だったのである。

 

地殻を直撃して全世界にM11以上の地震を巻き起こし、更にはヤルダバート、リゼ共に核の力を用いた攻撃を、互いに向かいこれでもかとぶち込んでいく。世界と惑星の汚染なぞ知った事かと言わんばかりに。

 

最悪である。

 

この巻の中で何度も言われている一言、ただこれにつきる。ヤルダバートが戦いの果て、うっかり女神ソフィア(表紙右)になってしまうのも、脈絡もなく銀河規模の攻撃をぶちかますのも。

 

あらゆる意味で最悪、誰も願っていない最悪の英雄譚。だがしかし、かの英雄譚は唐突に世界の歴史ごと消滅させられる。歴史の影より姿を現した魔王、アンゴルモアの手によって。

 

ではそれでリゼが止まるのか。否、そんな訳がない。かの世紀の大バカ者がそれくらいで止まるわけがない。

 

ここまで読んでいただけた画面の前の読者の皆様ならもうお分かりであろう。前巻にも増して今巻はヒドイ、正に混沌。ラノベの形をした冒涜的な何かと言っても過言ではない。

 

しかし、この無軌道で無修正な作品の中にも本能に突き刺してくるような面白さがあるのは確かである。

 

だからこそ、画面の前の読者の皆様も是非読んでみてほしい。狂気に飲み込まれて帰ってこれなくなっても責任はとれないが。

 

底辺領主の勘違い英雄譚 2 ~平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件~ (オーバーラップ文庫) | 馬路まんじ, ファルまろ |本 | 通販 | Amazon