読書雑記:七月がそろそろ始まるので、近日発売の新作の中から個人的期待の新作及び続刊についてのお話。

こんばんは。そろそろ七月も始まるという事で暑くなる気配を感じている真白優樹です。アイスティーが今年も美味しい季節になりますね。さて、前置きはここまでにして最近月末及び月初発売のライトノベルが早売りでもう順次出ている事は画面の前の読者の皆様もご存じかと思います。事実、私も順次購入しています。しかし、やはり紹介しなくては記事にもできないという事ついでにまだ公式発売日は過ぎていないのでセーフという認識の名の元に、月末及び月初発売の新作を紹介したいと思います。

 

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むすぶと本。 『外科室』の一途
著:野村美月先生
絵:竹岡美穂先生

 

まず初めはこの作品。もう言うまでもないでしょう、あえて語るまでもないでしょう。ラノベ読みの中には必ずいる筈、「文学少女」シリーズが始まりの一冊となった方々。ファミ通文庫の金字塔を築かれた野村美月先生が帰還される作品がこちらです。黄金コンビの帰還という事もあり、既にわくわくが止まりません。

 

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六人のお嬢様戦争をオレだけが攻略できる
著:築地俊彦先生
絵:フミオ先生

 

続きましてはこちらの作品。画面の前の読者の皆様も何処かで名前を聞いたことのある筈、築地先生の新作です。どうやら六人のヒロインがいるとの事で、どんなお話となるのか楽しみです。

 

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幼女先輩とゲームでおしごと
著:日の原裕光先生
絵:小奈きなこ先生

 

では三本目はこちらの作品。同じく画面の前の読者の皆様も何処かでお名前を聞いたことはあるでしょう、日の原先生の新作です。どうやらeスポーツを題材としているらしく、どんなゲームが繰り広げられるのか楽しみです。

 

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ポーション成り上がり。 ~楽に簡単に稼げるスキル下さい~
著:夜桜蒼先生
絵:みこ先生

 

ではファミ通文庫最後の作品はこちら、新作勢の中では唯一のカクヨム原作の作品です。どうやらスローライフ系らしい匂いを感じますので、どんなゆるさが繰り広げられるのか期待したいですね。

 

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隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた2
著:荒三水先生
絵:さばみぞれ先生

 

続きましてはモンスター文庫から。ですがこの一作です。このブログでも記事にいたしました作品の続刊となります。独特の漫才めいたラブコメが抱腹絶倒を齎してくれた前巻から果たして何処までパワーアップしているのか、楽しみです。

 

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型破り傭兵の天空遺跡攻略
[第25回スニーカー大賞<奨励賞>]
著:三上こた先生
絵:坂野太河先生

 

ではここからはスニーカー文庫の作品です。まず初めはこちら、全く同じ作者が全く違う作品で同時受賞したという前代未聞の事態、その片割れであるファンタジー作品の方となります。毎年、大賞ものは中々に見逃せない輝きがあると思うのでこの作品はどんな輝きがあるのか楽しみです。

 

 

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特上カルビ無双
著:高橋祐一先生
絵:Moco先生

 

続きましては新作2作目。タイトルからしてツッコミどころだらけ、粗筋からしてツッコミを入れたい馬鹿ラノベと明言されている作品です。果たしてどんな方向で馬鹿なのか、恐々ながらも楽しみに読みたいと思います。

 

 

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紙山さんの紙袋の中には
[第13回HJ文庫大賞<金賞>]
著:江ノ島アビス先生
絵:neropaso先生

 

ではここからはHJ文庫の紹介です。まずはこちら、HJ文庫大賞で栄えある金賞を受賞した作品です。表紙からしインパクト抜群、人物紹介からしてとんでもないこの作品。どんな青春が待っているのか楽しみです。

 

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毒舌少女はあまのじゃく1 ~壁越しなら素直に好きって言えるもん!~
[第1回ノベルアップ+小説大賞<入賞>]
著:上村夏樹先生
絵:みれい先生

 

では続きましてはこちらの作品。webからのデビューとなります作品です。壁越しの恋愛はどんな方向へ行くのか、期待したいと思います。

 

 

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勇者は魔王の門番人 ~ブラックな勇者業辞めて、ホワイトな魔王の下で働きます~
[第12回HJ文庫大賞<奨励賞>]
著:鉄乃蜘蛛先生
絵:pen助先生

 

では三作品目はこちらの作品。HJ文庫大賞からのデビュー作です。待遇が逆転しているというのは時折見かけますが、果たしてどんな作品か。楽しみに見てみたいですね。

 

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冰剣の魔術師が世界を統べる 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する
著:御子柴奈々先生
絵:梱枝りこ先生

 

最後は講談社ラノベ文庫から、皆様もう少しお付き合いくださいませ。小説家になろうで大人気、私も読んでいるファンタジー系の名作が遂に書籍化されます。丁寧な魔術描写と熱い戦いが見所であるので、是非読んでみてほしいです。

 

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転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます
著:謙虚なサークル先生
絵:メル。先生

 

最後はこちら、小説家になろう原作の作品です。果たして、どんな魔術の探究が待っているのかわくわくしますね。

 

 

以上、個人的期待の12作品でした。では来月もどんどん読んでいきましょう。

 

読書感想:弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで 2

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前巻感想はこちら↓

yuukimasiro.hatenablog.com

 

青春はいつだって本気だ。そして本気だからこそ、青春は美しいのである。

 

さてさて、ソシャゲ開発、運営という中々の未知なるジャンルへと焦点を当てたこの作品。二巻となるこの巻では何を描いていくのか。

 

その答えとしてはぶつかり合いを経て深まる絆、そして甘酸っぱくて瑞々しい青春ラブコメという事になるであろうか。

 

廃部を乗り越え訪れた夏休み。海には行かないけど水着を見たりとほんの少しの非日常。そして解と七花達が挑む事になったのはゲーム開発の出来を競う大会。

 

そこで相手として立ち塞がるのは金任せと悪評が噂の金剛院学園の美麗。そして解達の新たな仲間としてやってくるのは声優志望の新入部員、藍奈(表紙)である。

 

今まで四人だった彼等に新たな因子の五人目として加わる藍奈。中々にいい感じの性格をしていた彼女は実は絵留とは浅からぬ因縁を持つ少女だった。

 

その因縁の根底にあったのは「本気」という感情のすれ違い。それは今も持っている感情であり、今もまた同じように二人は同じ場所にいる。

 

だからこそ、分かり合うには絵留と藍奈はぶつかり合う必要があったのだろう。本気でぶつかり合ってぶつけ合って、だからこそ分かり合えるのだ。

 

そして、そのぶつかり合いを経ての和解が彼等の絆を新たな形として纏め上げ、一つのチームとして更に強固な形へと編み上げて。

 

新たな信頼、新たな絆。それこそが解の覚悟を決める鍵。そして勝利につながる最後のピース。

 

だけど忘れないでほしい。本気なのは美麗だって同じ事を。

 

本気だから喜べる、本気だからぶつかり合える、そして、本気だから負けたら悔しくて涙があふれてしまうから。

 

そういう意味では、この作品の登場人物にはそれぞれの物語があり、だからこそ誰もが主人公なのである。

 

新しいチームで掴んだ勝利。その中で少しだけ始まっていく、解と七花のまだ名前のない甘酸っぱい関係。

 

一巻が始動の巻であるなら、この巻は飛躍と跳躍の巻、そう言って差し支えない。私はそう断言したい。

 

真っ直ぐ本気だからこそ熱い青春が見たい読者様、前巻を読んだ読者様、真っ直ぐで王道ど真ん中の瑞々しくて甘酸っぱい青春が好きな読者様。皆様揃ってこの巻を読んでみてほしい。

 

きっとあなたも満足できるはずである。

 

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読書感想:今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2 先輩、ふたりで楽しい思い出つくりましょう!

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まだ書き方が定まっていなかった頃の今読み返すと少し恥ずかしい前巻の感想はこちら↓

yuukimasiro.hatenablog.com

 

アナタハダアレ? 彼女は天ヶ瀬まなつ(表紙)。読モで天真爛漫、学園で一番彼女にしたいと言われる後輩であり伊織の彼女。だけど待って。ハタシテソレハセカイノシンジツナノ?

 

前巻、ちょっぴりうざくて可愛いヒロインの灯火とイイ感じになったと思ったら、実は伊織にはまなつという彼女がいたと判明する今巻。灯花とはまた違った感じで伊織を振り回しぐいぐいと迫ってくる彼女に振り回されながらも何だかんだと彼女とイイ感じになっていく伊織。

 

だが少し待ってほしい。何か大切な事を忘れていないだろうか。そして前巻を読まれた画面の前の読者の皆様であれば分かっておられる筈だろう。この作品には世界の法則も記憶すらも塗り替えてしまう、「星の涙」という厄介な代物が存在しているという事を。

 

そう、「星の涙」である。灯花の願いに絡まり騒動を起こしたこの謎の石がまた迷惑な事態を起こしていた、それこそが今巻の顛末の根底である。

 

では、世界を塗り替えてしまったこの願いの持ち主は誰か。それは無論、まなつである。では彼女の願いは誰の為か。自分の為? 否、彼女の願いは伊織の為だったのだ。

 

忘れられた記憶の彼方、そこに合ったのは伊織とまなつが共に同じ日々を過ごした幼き日の記憶。

 

まなつの記憶の奥底に根付いた後悔の記憶。それは自分の願いを叶えてしまい孤独になってしまった伊織を助けてあげられなかった事。

 

だからこそ彼女は星の涙に願った。また昔の伊織に戻ってほしいと。あの日のように一緒に過ごしたいと。

 

例えふたりの楽しい思い出が一日で無くなってしまうとしても、あの日の記憶が奪われてしまうとしても。

 

それでも、それでもと。まるでエゴを押し付ける事で彼に光を与えようというかのように。自分が暗闇に墜ちていくのと引き換えに彼を前へと押し出すように。

 

自らが犠牲になるのも厭わず、ただ幸せになってほしいと彼の為にと願うまなつ。それを止められるのはただ一人、伊織だけ。

 

彼は言った。「寂しいだろうが」と。自分が天ヶ瀬まなつと言う人間を必要としているからこそ、もう忘れさせるなと。

 

それは呪いなのかもしれない。彼から離れられなくなる呪縛のようなものかもしれない。だけど、それは確かに救いなのだ。

 

天ヶ瀬まなつという一人の純粋な少女の献身に向き合い、過去と星の涙の謎へと迫っていく今巻。

 

一巻を読まれた画面の前の読者の皆様は是非読んでみてほしい。一巻にも増して心を掴まれる事請け合いである。

 

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読書感想:星降る夜になったら

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様に一つお聞きしたい。貴方はラブコメというジャンルの作品においてはハッピーエンド、バッドエンドどちらがお好みであろうか。ハッピーエンドが好きだという読者の皆様は今すぐこの記事の読書を見るのを止めて帰られたほうが良いかもしれない。何故ならこの作品は言うなればバッドエンドの作品だからである。しかしその終わり方は誰かが悪いわけではない。それは既に決められていた結末だったからである。

 

 

この作品の主人公、准汰(表紙奥)とヒロインである佳乃(表紙手前)は背中合わせに立っている。そう、背中合わせなのである。だからこそ隣に並び立てない。二人の道は擦れ違ったままである。それは何故なのか。

 

補習という学生にとっては憂鬱な場所で出会い、省エネと不器用という面倒くさい性格に阻まれながらも不器用に触れあい、恋にも似た感情を抱いていく二人。

 

だがしかし、佳乃は謎の奇病に苛まれ、准汰は彼女の無事を曰く付きの彗星へと祈る。

 

そして彗星は叶えた。彼と彼女は他人となり、生きる事が許された。両想い、だからこそ隣にいる事はできない。だから別の道を往く。でも、それだけでは救われない事を二人は知らずにいた。

 

今と違う設定で、もう一度出会いたかった。

 

願い事はただ一つ、それだけで良かった。あなたと一緒にいたかった。

 

不器用だからこそ生きづらくて、正直者こそ泣きを見て。そんな彼等に星が齎したのはもしもの可能性、儚い世界。

 

ここまで読んでいただけた画面の前の読者の皆様には分かっていただけただろうか。そう、齎されたのは奇跡ではなく「慰めの希望」。すぐ近くにあった本当の世界は変わらなかったのだ。

 

「泣けなくても・・・・・・笑えなくても良かったんだ」

 

後悔し涙すれど世界は変わらず、彗星が見せた優しい泡沫の夢は現実に塗りつぶされてゆく。

 

だけど、それでも。また奇跡を祈りたくなるんだ。もう一度、身勝手でもと。

 

スノードロップ花言葉。それは「希望」と「慰め」。

 

そして、星降る夜になったら、その枕詞に続く彼の願い。

 

両想いだからこそすれ違い、希望は泡沫だからこそ哀しくて切なくて。だけど、確かにそこにあった希望は誰も覚えてなくても優しくて温かくて。

 

この作品を語るには私の陳腐な言葉では万の言葉を用いても語りつくせないかもしれない。だからこそどうか、画面の前の読者の皆様も頁を開いてこの味わい深い作品の

世界へ飛び込んでみてほしい。

 

きっと、貴方は忘れられない奇跡の目撃者となる筈である。

 

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読書感想:最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える1

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この主人公が容赦なさすぎる件について。

 

え、何故こんな前置きになったかって? それはこの作品の主人公、ノエル(表紙中央)が敵に対して容赦なし、千倍返しがモットーだからである。

 

舞台は探索者と呼ばれる他作品で言うなれば冒険者に該当するであろう者達が様々な依頼を受け駆け回るちょっと仄暗いファンタジー風な異世界。作品の主人公であるノエルもまた、一つのパーティの司令塔をしながら上を目指す探索者の一人である。

 

しかし、破壊神と呼ばれ最強の探索者として名を馳せていた彼の祖父とは違い、彼は戦力としては最弱である。何故なら彼は「話術師」。直接的な攻撃手段をほぼ持たず自衛の手段を持ちえぬ最弱の職業だからである。

 

だが、話術がある。そしてこの話術と敵対する者には容赦なしな彼の手練手管が唯々ヤバいとしか言いようがないのである。

 

パーティの仲間が資金を横領したと聞けば、他探索者を言葉巧みに操り仲間を追い詰め、ヤクザに奴隷として売り払い。

 

自分達を騙した依頼者の村長も徹底的に痛めつけ。

 

更には自分達に目を付け襲い掛かってきたヤクザの軍団を情報と言葉を以て内部崩壊に追い込み徹底的に叩き潰す。

 

探索者じゃなくてヤクザの方がお似合いなのではと言いたくなるほどにそのやり口は苛烈で凄絶。だがそんな危うい光に惹かれるからか彼の周りには癖のあり過ぎる者達が集う。

 

ライバルクランの一員でありながらも彼を気に掛けるリーシャ(表紙右)。

 

伝説の暗殺者の後継者、彼に惹かれ仲間となった暗殺者、アルマ(表紙左)。

 

ヤクザの一団を率いる両極端な一面を持つオネエ、フィノッキオ。

 

最短距離で行くと決めその言葉のままに駆け抜ける。その道を阻む者を全て食らいつくしながら。

 

しかし、彼は誰にも縛られぬ。自らを乗りこなすのは自分だけ、そう言わんばかりに駆け抜ける。

 

「俺の王は俺だけだ。俺は、誰にも縛られない」

 

この言葉に集約されているのは彼の生きざま。頭がぶっ飛んでいると言われようが構わず、誰の言葉にも縛られず突き進む一人の漢の生きざまなのだ。

 

それがそんじょそこらの温い作品とは違い、暴力と抗争マシマシなヤバめの世界と合わさり独自の面白さを築いているのがこの作品である。個人的にはwebで人気であるのも納得であると感じる・

 

只のファンタジーを読み飽きた読者様には是非お勧めしたい。今までとは違う景色が見れる筈である。

 

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読書感想:Sランク冒険者である俺の娘たちは重度のファザコンでした1

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問:同じオーバーラップ文庫で同じようにファザコンを題名に冠する作品がなかったか?

 

答:確かにあった記憶はあるが私は読んでいないので各自で読んでいただきたい。

 

さて妙な前振りはこの辺りにして、ファザコンである。まごう事無きファザコンである。父親に愛を真っ向から囁いたり、一緒にお風呂に入ったりしてしまう程度にはファザコンである。しかし合法である、何故か。

 

その答えは、この作品の主人公である三十五歳中年(しかし見た目は設定上は二十代)のカイゼル、そして彼の娘である三姉妹、エルザ(長女。表紙)、アンナ(次女)。メリル(三女)の血が繋がっていないからである。

 

そんなことになったのは何故か。それは十八年前、将来を渇望される程に有能だった最強一歩手前までいっていた冒険者時代のカイゼルが、依頼中にエンシェントドラゴンを目覚めさせてしまい、その為一つの村が崩壊し生き残りである彼女達を引き取ったからである。

 

それから十八年。三姉妹は、エルザは最強の冒険者として騎士団長へ。アンナは王都のギルドマスターへ異例の速さで。メリルは王都の魔法学院で天才魔法技師に。

 

それぞれの場所でそれぞれの可能性を開花させていた彼女達から一緒に暮らそうと呼ばれ、王都へとカイゼルが引っ越す事よりこの作品は幕を開ける。

 

王都に引っ越し娘達と同居する事になったカイゼルの日常は驚きと刺激の連続ばかり。

 

エルザと騎士団の訓練についていったと思ったら騎士達に慕われ挙句姫様に目を付けられ、アンナの手伝いをしたらその実力で王都ギルドの注目の的となり、メリルの元に顔を出したら学院の教師に就任したり。

 

休む間もなく慌ただしくも忙しい、だけど辛くなんてない、何故なら愛する娘たちがいるから。

 

そんな娘達に女として迫られ肝を冷やしたり、時に成長を実感し涙ぐんだり。

 

そう、この作品は慌ただしく騒がしくも楽しい日常を家族で過ごすホームドラマのような作品であり、最強の父と娘の家族愛の作品なのでもある。

 

ブコメを前に出されても家族の絆があるから微笑ましく、そして家族愛が既に定まっているからこそ王道な面白さがあるのがこの作品なのであろう。

 

ファンタジー世界の家族愛、この言葉に惹かれたまたはピンときた読者様はページを開いてみると良いかもしれない。きっと、彼と彼女達の騒がしい日常と家族の絆は心に何かを齎してくれるはずである。

 

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読書感想:転生したら、修羅場でした。 前世から待ち焦がれていた最強の元カノたちとの同居生活

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方は百万回生きた猫という絵本をご存じであろうか。詳細は各自検索していただくとして、転生という題材をどう思われるだろうか。転生するという事は全く違う人生を過ごすという事。ではもし何回も転生する作品を読んだ事があられるならその作品では何回転生していたであろうか。

 

君の名は。あの名作の主題歌であるRADWINPSの曲といえば前前前世。この言葉だけで言うならば三回の転生を経ている事になるのは明白である。しかし、この作品の主人公は前が更に一個多く、前々々々世まで経験しているのである。

 

そんな奇特な経験をしながらも全ての記憶を忘却し、商人の下働きとして貧乏ながらも生き抜いてきた主人公、アレン(表紙中央)。彼の中には四つもの英雄の魂が眠っているのである。

 

そして、各前世においてその時代のアレンの隣に侍り彼と再び出会うことを渇望していた者達こそ、最強の元カノ達である。

 

最初の前世、英雄の義理の娘として共に駆け抜けたハーシィ(表紙右)。

 

次の前世、英雄の剣として強大なる敵へと立ち向かったクローネ(表紙右上)。

 

三つ目の前世、英雄の従者として歴史を奪う者を共に封印したシール―(表紙左)。

 

四つ目の前世、英雄の義理の妹として空の彼方から来る災厄と戦ったエンネア(表紙左上)。

 

彼女達の誰もが、永き時の果てから彼の事を待っていた。だからこそ、彼に焦がれるお互いの気持ちはよく分かる。しかしだからこそ、彼の事だけは絶対に譲れない。

 

だから時に本気でぶつかりあって、でも誰かが危機に陥った時は助ける為に力を合わせたり。

 

ただのライバル、それだけではなく言わばちょっとした同士のような存在。故に分かり敢えてじゃれあえる。

 

そんな彼女達と世界を救う為にラブコメしろと女神さまに言われ、振り回されるアレン。

 

しかし、彼もまた英雄の魂を受け止めるにふさわしき人間であり、その奥底に眠る高潔な魂はあの日と同じだったから。

 

「僕が、決着をつける」

 

だからこそ、誰かの為に立ち上がれるからこそ、英雄としての力の一端を見せつけただけでも格好いいのかもしれない。

 

この作品は言うなれば、ドタバタわちゃわちゃとした賑やかなラブコメであり振り回されながらも少年が成長していく、爽快感のある戦いが見所のファンタジーである。

 

ファンタジー好きな読者様には是非読んでもらいたい。きっと満足できるはずである。

 

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