読書感想:ダークエルフの森となれ ―現代転生戦争―

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方はもし世界を敵に回すとしても叶えたい願いがあるとしたら、貴方は世界を敵に回せるだろうか。どれほど辛いとしても、世界を敵に回して戦うのならばそれは物語として名をつけるのなら、どんな名前が良いのだろうか。

 

輝獣と呼ばれる自然脅威が襲来する世界で、機動兵器を用いて戦う騎士候補生を育てる学園で学園生活を送りながら、優等生の仮面を被りながら生活する主人公、練介。しかし彼は何処か退屈していた。まるで温度が存在しないかのような無味乾燥とした日々を送っていた。

 

 

そんな彼の前に現れた女子高生、もとい異世界から転生してきたダークエルフ、シーナ(表紙)。彼女と出会った時、彼の世界は鮮やかに色付き始めたのである。

 

まるで猫のように自由気ままに、だけど時には女の子らしく。彼女と同棲する事になり始まっていく非日常。

 

だが、非日常はこれで終わりではなかった。この何処かSF染みた世界を舞台に、異世界で排斥されつつある種族の生き残りを賭けた大戦は幕を開けようとしていた。

 

その渦中へと、シーナの眷属の樹人として飛び込んでいく練介。

 

戦いの中、変化していく練介の想い。それはダークエルフという種族が好きという思いではなく、シーナ個人が好きであるという思いだ。

 

退屈していた、温度が無かった。その日々に刺激と温度をくれた。解放されたかった。この窮屈な自己を押し込める檻から。その檻から解放され、本当の自分自身で暴れられる場所をくれた。

 

何かを貰ったのはシーナも同じこと。自分の世界では居場所が無かった。誰からも命を狙われていた。だけど彼は、真っ直ぐな好意をくれた。

 

遂に訪れる決戦、そこで二人の思いが重なる時、シーナの本当の力は目覚める。

 

「・・・・・・俺は、君を守りたい。一度死んだ俺だからこそ、まだここにある命は、好きな子のために全部を使いたいって思うから」

 

そして、本当の意味で二人が一つになる時。現実世界にとっては恐怖の象徴であり二人にとっては無敵の姿である、一つの力が完成するのである。

 

 

この作品はSFである。ファンタジーである。そして、世界からはぐれた二人が契約を結び、世界の敵となるとしても己の道を往く事を決意する、身勝手な悪の黙示録なのである。

 

だからこそ、一筋縄ではいかぬ歯応えのある読み心地がこの作品にはあるのかもしれない。

 

普通とはちょっと違うファンタジーを読んでみたいという読者様、とりあえず高揚感を感じたいという読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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読書感想:せかいは今日も冬眠中!

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は冬という季節は好きであろうか。かつて某新世紀アニメでは、世界から夏以外の季節は消滅していたが、もし冬以外の季節が消滅してしまったら、貴方は果たして世界を好きでいられるだろうか。

 

とある事情から、寒冷化の一途を辿っていくとある世界。この世界に春を取り戻す為に進むとあるプロジェクト。それは、「シム」と呼ばれる動物を模した姿の小さな妖精たちの協力を仰ぎ、世界に春を取り戻そうとするプロジェクトである。

 

そんな大きな計画に参加している学生の一人。人とシムの共存が成立している村出身の少女、ササ(表紙中央)。彼女が個性的で(多分)頼れる仲間達と共に、故郷の村でシムを増やす為のプロジェクトに挑むのがこの作品の趣旨である。

 

しかし、上手くいけば簡単ではあるものの当然のごとく簡単にいくわけもない。それもその筈、シム達はそれぞれ独立した個性と意志を持つ、まるで野生動物のように自由気ままな妖精たちだからである。

 

彼(?)等の機嫌を取るべく始まるおやつ作戦、更には秘密基地作り。

 

自由気ままな妖精たちと個性の強すぎる仲間達に振り回されながらも遅々として進まぬ研究。そこに立ち塞がるのは、シムをまるで家畜のように牧場を作って増殖させようという計画。

 

牧場計画。見ようによってはある意味でその計画は間違っていないのかもしれない。効率を求めるのならば、それこそが正しい計画であるのかもしれない。

 

しかしそれは、ササにとっては当然受け入れられるわけもない計画。だってそれはシムの意志を完全に無視するものであるのだから。

 

だからこそその計画だけは許せない。絶対に最後まであきらめない。

 

彼女達の想いが祭りとなり、確かに生み出されるのは奇跡の成果。

 

「責任者というのは文字通り、責任を取るためにいるのだ。そんなことは言われずとも当然だ」

 

その思いと成果が誰かの心を動かす鍵となり、大人達へ対する子供達の力と勝利を叩きつけるのである。

 

妖精さん達が可愛くてどこかほのぼのとしていて。そんな中、研究者の卵達の熱意が熱く、チームとして一つの目標の為に取り組むその姿勢が、世界を変えていく。言うなれば創造の面白さがある作品なのである。

 

小動物が好きな読者様、頑張る子供達が好きな読者様。ほのぼのほんのり、ほんわかなSFファンタジーが好きな読者様にはお勧めしてみたい。きっと満足できるはずである。

 

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読書感想:さいはての終末ガールズパッカー

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さて、時に太陽系はいつか滅びるかもしれない。それは遠き未来、我々読者達が恐らく何度となく(そういうものがあるとしたら)輪廻転生を繰り返した先、遥かな時代の先に待っているかもしれないと言われている一つの可能性である。もし、明日から巨大な隕石が地球へ接近してくるというのなら地球は早めに滅びるかもしれない。だけど、太陽系全体が滅びるならどうするか? それは、太陽の死でしかありえないであろう。

 

そう、太陽の死である。そもそも太陽とて星である。故に、いつになるかは分からないが多分いつか太陽は死ぬ。ではもし、太陽が死ぬとどうなってしまうのか。

 

その答えこそがこの世界。太陽が死に、世界が大規模な寒冷化に見舞われ常に厳冬の季節となり、灰色と白色の凍えるような世界である。

 

そんな世界を、とある一つの目的を持って旅する二人の少女がいた。

 

記憶を無くした自動人形の少女、リーナ(表紙右)。出来損ないの人形技師の少女、レミ(表紙左)。レミがたった一人ぼっちになった日に、まるで運命であるかのように出会った二人は、リーナの死を食い止める為に東の果て、楽園を目指す。

 

そして、この世界はかのオリュンポスの郵便ポストシリーズの世界の成れ果てである事を示すかのように、どこか懐かしい地名も出てくる星である。その中に確かに息づいている無数の命があるのである。

 

ボロボロの洋館ホテルには、自らが壊れても使命を全うするホテルマンがいた。

 

雪と雲に塗れた世界で荷物を届ける、配達屋さんで葬儀屋さんがいた。

 

古い技術が遺された街には、旧時代の遺物である機関車を甦らそうとする子供みたいな大人達がいた。

 

そして辿り着いた楽園には、愚直なまでに自らの使命に殉ずる自動人形と、只一人の生き残りである人間がいた。

 

この終わりかけた世界で、それでも必死に生き延びていた者達。その者達は誰もが、心の中に大切にしている絆を持っていた。それはリーナとレミも同じこと。お互いがお互いの半分であると言わんばかりに、既に別れられぬ半身なのだ。

 

すれ違い、寿命の果てにその手は離れ。だけど、彼女の言葉があったから帰ってこれた。また生き延びれた。

 

「よし! あっちだ!」

 

言ってしまえば何かが変わったわけでもない。何かが解決したわけでもない、ハッピーエンドでもない。それでも、旅の果てに大切なものを見つけられたから、近いうちに死ぬとしても、前を向いて歩いていける。

 

静かに終わり往く終末世界の中、彼女達の絆がほんの少しの救いと温かさを齎してくれる。そんな仄かな希望が心に沁みるのである。

 

終末世界が好きな読者の皆様、独特な世界観と重厚な世界観が好きな読者様は是非。きっと満足できるはずである。

 

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読書感想:豚のレバーは加熱しろ(2回目)

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前巻感想はこちら↓

https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/03/10/225252

 

さて、そういう訳で二巻である。あの終わりからどう続くのか、そう思った貴方は続刊前提の作りに察していたであるかもしれないが、あの豚レバが続刊したのである。ではその続刊は一体どういうものであるのか。

 

異世界へ再び向かうことを決めたクソ童貞主人公、再び向かった異世界、今度の姿は・・・豚。

 

そう、豚である。今度こそ人間の姿で行けるかと思ったら、また豚である。しかも今度は直接ジェスの元へと行くのではなく、十三歳のイェスマ、セレス(表紙中央)の元へと辿り着いてしまったのである。

 

 

そして再び豚こと、ハンドルネームはロリポーク(以下この名前で通します)が再び来訪したこの異世界は、前巻にも増して争乱に包まれた大変な混乱した状況へと陥っていたのである。

 

闇社会の連中が叛乱を起こし、更にはノットが敵の手に囚われ、イェスマを取り巻く現状はさらに厳しく、世界は戦火に包まれていて。

 

そう、今回はイェスマの真実を知る為の旅路ではなくロリポークがジェスに再会する為の旅路である。しかし、戦火を必死に潜り抜けた先で再会したジェスはロリポークと過ごした日々の記憶を失っていた。それもその筈、其れこそが前巻の最後にロリポークが願った末の結果だからである。

 

共に過ごした記憶を失ってしまった事で、もう一度最初から始まる二人の関係。しかし二人を取り巻く戦火は絆を深める時間すらも許さず、容赦なく新たなる敵は二人を襲う。

 

しかし、それこそが二人の関係を本当の意味でもう一度始める為の鍵だったのである。

 

敵の魔術師によりロリポークへとかけられる呪い。その呪いを解くべく引き受けたジェスに、奇跡のようなタイミングで訪れた魔法使いの脱皮とも呼べる現象。

 

その瞬間、呪いと共に解けたもの。それこそはジェスの記憶を封じていた魔法。

 

「もう、どこへも行かないでください」

 

溢れ出した記憶、思い出して告げるは感謝と告白。

 

前巻がまるまる一冊を費やした壮大なプロローグだとするならば、本当の意味での始まりとなるのが今巻である。豚ことロリポークとジェスがもう一度出会い、偉大なる王の死後、混迷へと突入した世界を上書きしていくための戦いを始める巻なのである。

 

そして、離れていた二人がもう一度出会い、始まるラブコメもまた見所な巻である。ロリポークの友人オタク、異世界では黒豚なサノン(表紙右)を始めとして、世界が大きく広がる巻である。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。今から読み始めるという読者様も是非。きっと満足できるはずである。

 

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読書感想:魔女に育てられた少年、魔女殺しの英雄となる

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は家族には愛されている口であろうか。世界には親の無償の愛を受けられぬ子供達は数多くいる、ならば家族がきちんといるだけでも幸せなのではないだろうか。

 

そういう意味においては、この作品の主人公であるアル(表紙左)はある意味において不幸でありある意味においては、幸運であったと言えるのかもしれない。

 

見ず知らずの少女を事故から助ける代わりに命を落とし、転生した先の異世界では生後すぐに忌み子として捨てられる、正しく人生インフェルノモードかと言わんばかりの大変な状況。

 

この状況に救いの手を差し伸べたのは、「禍事を歌う魔女」と呼ばれ、世界から忌み嫌われる魔女、メーテ(表紙右)。彼女に引き取られ、人里離れた山奥の家で育てられる事になるアル。

 

そこで知っていくのは、魔女の本当の素顔。

 

それは世間で言われるような邪悪さは絵空事、それどころか彼女はアルが困ってしまうほどの過保護であり、彼を真正面から愛してくれる存在であるという事。

 

自らの中に流れる魔力を制御する為、メーテの友、狼であり人でもあるヴェルフとメーテを師匠とし、成長していくアル。

 

しかし、彼は知ってしまった。禍事を歌う魔女、その伝承は真実であるという一面を持ち、メーテは確かに多くの人を殺しているという事。

 

だが、その伝承には誤りがある。それが何かは分からないが、確かな一つの気付き。

 

「メーテ―――僕が魔女を殺してみせるよ」

 

だからこそ彼は決意した。その誤った伝承をぶっ壊すと。魔女の名を殺してみせると。

 

そして彼は戦いの場へと向かう。ふとした切っ掛けで知り合い、自分が傷つけてしまった少女を救う為に。

 

それは英雄の確かな一歩目。小さな一歩ではあるけれど、確かに一人の少女の中の伝承を殺して見せる始まりの一歩。

 

この作品もまた、王道感あふれるファンタジーである。そして、この作品は世界に忌み嫌われ放逐された者達が出会い、家族となる物語なのである。

 

だからこそ、この作品は何処か冷たく温かい。世界が冷たい分、彼等の小さな世界は温かいの。故に、普通のファンタジーでは出せないような面白さを持っているのがこの作品なのである。

 

家族愛が好きな読者様、ファンタジーが好きな読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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読書感想:魔王と聖女が導く冒険者ライフ ―魔法適性0だけど極大魔力に覚醒しました―

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様にお聞きしよう。貴方が仕事に励む社会人であるとするなら、貴方は何故仕事に励むのであろうか。命を賭けるに値する理由はあるであろうか。

 

とある異世界のとある里、そこを十年の修業の末に聖剣を受け継いで旅立った、英雄になりたい少年、ルシオ(表紙左)。彼が冒険に駆けだしてすぐに聖剣を折ってしまい、その瞬間に聖剣に封印されていた魔が復活する。

 

その名はエルル(表紙右)。かつて讃えられた魔王であり、聖剣に封印されていた少女である。

 

不意に訪れた命の危機・・・かと思えば唐突に訪れるエルルの消滅。それもその筈、彼女が封印されていたのは肉体ではなく、魂だけだったからである。

 

生き延びる為に契約を持ちかけるエルル。英雄になるという夢の為、その契約を受けるルシオ

 

「魔王の力、君にあげる」

 

しかし、預けられたその力は誰も予想しえぬ暴走を生み出し、エルルも驚く威力を叩きだしてしまう。それもその筈。魔法が使えぬルシオの中に秘められていたのは、魔王すらも凌駕する極大の魔力だったのである。

 

ではそんなアンバランスな力を抱えたルシオは、何故英雄になりたいのか?

 

「俺は、英雄になってモテたいんだ!」

 

その理由はエルルも思わずズッコケる程の私情に満ちたどころか私情十割の素直すぎる欲に満ちた、単純な理由だったのである。

 

しかし、だからこそ単純で下心満載ではあるが、それは健全な青少年特有の理由。

 

そして、彼は下心塗れなだけではなく、手探りながらもリーダーとして振る舞おうとしたり、決して仲間を見捨てぬ熱さを抱えた快男子なのである。

 

そんな彼はエルルと、クエストの中で助けた聖女、ソフィアも仲間に加え初めてのパーティでクエストへと挑んでいく。

 

彼が過ごすのは仲間と過ごす日常という初めての日々、結果的に魔法がエラい騒ぎを巻き起こしてしまう、ドタバタに満ちたクエスト。

 

 

その日々を阻もうとエルルを狙い襲来するドラゴン。

 

「・・・・・・絶望なんてするわけないだろ」

 

だが諦める必要はない、絶望する必要もない。何故なら彼には最強の魔王がついているから。信じあえる仲間がいるから。

 

この作品は剣と魔法が彩る王道のファンタジーである。ドタバタとほのぼのに満ちた日常が綴られる作品である。そして、英雄を目指す一人の快男子が心のままにその道を突き進む、成長譚であり冒険譚である。

 

だからこそ面白い。笑いと熱さに満ちているからこそ、この作品は面白いのであるはずだ。

 

ファンタジーが好きな読者様、笑いたい読者様。そして爽快感を楽しみたい読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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読書感想:七つの魔導書と再臨英雄

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さて突然ではあるが画面の前の読者の皆様、貴方はもし宝くじに当たったらそれは一体何のおかげと思われるだろうか。自分が偶々運がよかっただけと思われるだろうか。それとも、それこそが運命だと思われるだろうか。

 

さて、かつて世界を乱す大悪により秩序を守る六人の女神が殺されたこのファンタジー異世界。そこのとある国、その片隅のスラム街で一人何とか生き抜く少年、アラステア。

 

しかし、彼の正体、という名の前世は世界を救った大賢者にして大悪の弟、フェリクス。そして彼がこの世界に生まれてくるのをずっと願い待ち続けていた魔導書の化身にして七人目の女神、エレフィール(表紙)。いつかの未来で約束されていたこの二人の再会より、この作品は幕を開けるのである。

 

生まれ変わろうと世界を救う使命をその身に課せられたアラステア。彼の為、彼をもう一度英雄にするためその力となる為に、一万冊もの魔導書を集めていたエレフィール。

 

そして、アラステアは転生しても尚、大賢者の器であり、圧倒的なキャパシティと学習性、更には一瞬でアレンジを施す程の応用力を身に着けていた。

 

 

だがしかし、それはアラステアの力ではなく大賢者である前世が故の力。誰もが苦労して進む道を一足飛びで飛び越えていく、恥知らずの行いだ。しかし、それをエレフィールは望む。そして、アラステアの前世に関わる誰もが彼を前世の人間であれといい、そうである事を望む。

 

しかし、彼は。

 

アラステアはそこに否、を叩きつけた。

 

確かにこれは借り物の力だ、自分の力ではない誰かの力だ。

 

だからこそ自分はこの力を誇らない、絶対に自分の力で強くなって見せると。

 

この瞬間、「大賢者、フェリクス」ではなく。「アラステア」というたった一人の少年自身の英雄譚が確かに始まったのだ。

 

 

この作品は王道なファンタジーである。極大と言っても過言ではない大魔術がこれでもかとぶつかり合う、熱さが限りないバトルが見所である作品である。

 

 

そして、この作品は前世というよくある最強ものの要素を完全に否定し、否を叩きつけ。己は己であると声高に叫ぶ、一人の少年の英雄譚であるのだ。

 

「いちいち誇るようなことじゃない」

 

己の力を決して誇らぬ少年の、ここから始まる英雄譚。どうか見逃さず読んでみてほしい。

 

王道ファンタジーが好きな読者様、おねショタが好きな読者様。そして何より三度の飯より、熱いバトルが好きと言う読者様にはお勧めしたい。

 

きっと、貴方は満足できるはずである。

 

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